時々、信じられないようなことが起こるパリですが、なんとRATP(パリ交通公団)のバスが盗難に遭いました。
どうして?そんなことがあり得るの?と思いますが、俄かに信じ難い話が起こるのも、これまたパリなのです。
週明けの超早朝(深夜)の時間帯、パリ・モンパルナス駅でバスの運転手が休憩をとっている間にホームレスの男がバスを盗み、バスを運転して逃げました。
停めていた場所からバスが消えていることに気が付いた運転手は、直ちに、RATP車両のリアルタイム監視を担当する旅客規制情報センター(CRIV)に連絡しました。
バスは位置情報確認システムにより、ポルト・マイヨ周辺にいることが確認されましたが、環状道路に向かっている模様でした。
最終的には、警察に通報がいき、バスが停車していた場所から約13㎞離れたポルト・バニョレで車両とともに犯人が確保されました。
パリ地域ネットワーク旅団(BRF)に委託された捜査の初期調査結果によると、バスの運転手は休憩中にキーをイグニッションに差し込んだままにしていたことが示唆されています。バスはイシー・レ・ムリノからボビニーまでを走るN13夜行バスでした。
RATPは、これに対し、バスはキーではなく、ドアのジッパーをあけると、ボタンを押すだけで発車すると釈明しています。(釈明になっていないと思うけど・・)
私は、パリ市内を走っている夜間時間帯のバスには、乗ったことがないのですが、日中の時間帯の場合、運転手さんが次の発車時刻までの短い時間帯に休憩をとっている場合、バスのドアを開けたままにして、乗客がバスに乗って待っていられるようにしてくれている車両も珍しくはないのですが、こんな盗難事件があったとすると、今後は、運転手がバスを離れるときには、乗客はバスの中で発車を待つというようなことができなくなるかもしれません。
幸いにも、盗難にあったバスには、乗客はいなかったそうで、負傷者も出ていないということです。
しかし、もしも、停車中のバスに乗客が乗っていた状態のままバスが盗まれて、突如、発車したら・・と思うとそれはそれで恐ろしい話です。
このバスを盗んで運転して逃げようとしていたホームレスの供述は、発表されていませんが、この人物は特に警察にマークされていた人物ではないということだけが、明らかにされています。
深夜、というか、早朝時間帯とはいえ、バスが盗難に遭うなんて、初めて聞いた!と驚いたのですが、実はRATPのバスが盗難にあったのは、これが初めてではないそうで、2024年5月には、元RATPの運転手が勤務時間外にバスを盗み、乗客を乗せて移動したということがあったそうで、また、同年7月には、別の盗難事件も発生していたようです。
今回の事件も含めて、RATPは、バスのセキュリティー強化を訴え、苦情を申し立てているということです。
苦情を申し立てる前に、休憩時間中とはいえ、バスの停車時の管理を徹底させるのが先では?と思うのですが、いかにもパリな訴えです。
それにしても、このバスを盗もうとしていたホームレスは、バスを盗んでどうしようとしていたのか?それもなかなか気になるところです。
パリRATPバス盗難事件
<関連記事>
「戻ってきたRATP(パリ交通公団)の検札官とバスのチケット」
0 コメント:
コメントを投稿