2022年、欧州議会は2035年からEU圏内におけるガソリン車およびディーゼル車(ハイブリッド車を含む)の新車販売を禁止する法案を承認しました。
この決定を受けて、フランスも電気自動車への援助等を拡大し、なんとか電気自動車のシェアもぼちぼち増えつつはあるようです。(2025年上半期の電気自動車の販売台数は2024年と比して24%増)
しかし、欧州議会のこの自動車販売に関する法案には、2026年には、状況を評価し、条文の修正を行うための「見直し条項」が設けられており、プラグインハイブリッド車(PHV)(ガソリンエンジンと電気モーターの2つの動力源を持っている車)については、認められる可能性が出てきています。
そして、2026年がそう遠くない未来に近付いてきた今、フランスの電気自動車充電事業者協会(Charge France)は、2035年以降のプラグインハイブリッド車に対する適用除外の可能性について懸念を表明しています。
もし、例外措置が導入されれば、欧州の自動車メーカーはプラグインハイブリッド車に過剰な投資を行い、電気自動車の競争力を低下させ、中国メーカーとの競争で問題を引きおこすだろう・・とフランスの電気自動車充電事業者協会(Charge France)は言っているのです。
電気自動車充電事業者協会は「特定の技術を強制しないという技術中立の原則を装い、一部の自動車メーカーは、プラグインハイブリッド車の受け入れによって2035年までに内燃機関車を禁止するという目標を放棄しようとしている」と抗議しているのです。
しかし、実際には、電気自動車はやはり高価であることや、充電の問題もあって、人気があるのはハイブリッド車で、消費者は現段階でもかなりの国からの援助や優遇措置があるにもかかわらず、電気自動車には傾ききらないのが現実なのです。
いくら、温室効果ガスの排出量などの環境問題やガソリンの消費量(輸入量)削減などを語っても、現実には、まずは自分たちの生活を考えるのが消費者です。
ハイブリッド車を生産している自動車メーカーは、その折衷案ともいうべくプラグインハイブリッド車という車に歩みよっているのに、この協会は、環境問題等を盾に現状にそぐわないことを威圧的に押し付けようとしている感がなきにしもあらずです。
プラグインハイブリッド車は、ガソリンエンジンと電気モーターの両方を搭載し、電気自動車と同様にバッテリーを充電できる車両であり、環境負荷の低減につながります。しかし、彼らが言うには、「プラグインハイブリッド車が電気で走行するのは全体の45~50%、企業向け車両の場合は10~15%程度である」と主張。
また、「重いバッテリーを搭載したプラグインハイブリッド車は、軽量のガソリン車よりも多くの燃料を消費する」など、敵?の難点をあげつらって攻撃しているように見えます。
まずは、個人に負担が及びにくい公の機関(警察や消防、公共交通機関など)の車両から、全て電気自動車に変えていくことから始めてみればよいのでは・・?などと素人感覚では思いますが、やもすると、彼らは本当に環境問題・エネルギー問題を考えているのか? はたまた利益を独占したくて言っているのではないか?と疑いたくなります。
プラグインハイブリッド車
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