2025年9月15日月曜日

フランスで流行するチクングニア熱 土着感染例2件確認

 


 チクングニア熱(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなどの蚊により媒介するウィルス性の伝染病)がフランス本土で蔓延しているといいます。この熱帯ウィルスによる感染例がフランスで数百件報告されており、特にグラン・テスト県、ブルゴーニュ・フランシュ・コンテ県、ヌーベル・アキテーヌ県において顕著なようです。

 また、先週末には、プリーヴ・ラ・ガイヤルド県(コレーズ県)で新たに2件が確認されています。

 特にヒメカノコギリ蚊の感染拡大が続いており、プリーヴ県(コレーズ県)で新たに2例の土着感染例が確認されたことが懸念を拡大させています。

 土着感染例の症例というのは、いわゆる海外旅行などで外地に出かけた際に感染したわけではなく、地元で感染したということで、これは、フランス国内の一部の地域に生息する蚊によって感染したということです。

 地球温暖化によって、フランス国内で循環するようになったこれらの蚊が感染を広めているというのです。

 この夏、フランスではこのウィルスが爆発的に増加しました。南部での発生が最も多いようですが、現在はフランス東部や北部にもゆっくりと広がっています。

 ディジョン(コート・ドール県)では7件、バ・ラン県で2件の症例が確認、アンティーブ(アルプ・マリティーム県)は最も被害の多い都市で、ある地域では、家全体にウィルスが広がっており、どの家にも誰かがチクングニア熱に感染したことがあるというほどだといいます。

 症状は2日間から2週間程度の潜伏期間ののち、40℃に達する高熱と斑状丘疹があり、関節が痛むのが特徴。発熱が2日ほど続き、急速に終息するものの、関節痛、頭痛、不眠、全身疲労などは、1週間ほど継続する傾向にあります。

 また、チクングニア熱による関節痛は、年齢差にもよりますが、2年ほど続くこともあるというのは、キツいことです。

 そういえば、夏の間に蚊の駆除に苦労しているとか、蚊を不妊化する技術などを紹介していたことがあって、「蚊の不妊化??」と奇妙に思っていたのですが、このことだったのですね。

 なにやら、モンペリエ市には、蚊の個体数を減らすための新しい技術(昆虫不妊化)を専門とする新興企業があって、不妊のオスのヒトスジシマカを放ちメスと交尾させます。不妊のオスと交尾すると、生涯にわたって不妊の卵を産み続けるとかで、これが大活躍していたということでした。

 今までお目にかからなかった奇妙な病気の上陸にしたがって、摩訶不思議な仕事も生まれるという時代です。

 そういえば、フランスに来てからは、滅多に虫刺され、特に蚊に刺されるということがなかったのですが、それでも、ここ数年は小さなコバエのような虫を見るようになりました。それでも、虫刺されの薬、お手軽なかゆみ止めのような薬がフランスにはなくて、日本に行った時には、たいていムヒを買ってきます。(虫刺されのためというより、かゆみ止めとして使っています)

 日本にある実家は夏には、庭がうっそうとしてきてしまい、蚊がものすごくて、とても庭になど出れたものではなくなっていたことを思い出しました。


チクングニア熱フランス流行


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