2025年9月26日金曜日

二コラ・サルコジ元大統領に有罪判決 実刑5年の衝撃

  


 普段は、日中はあまりテレビもSNSも見ないようにしているのに、たまたま出かける前に、メトロが動いているのかを確認しようと開いたら、「元国家元首サルコジ懲役5年の実刑」というニュースが目に入ってきて、さすがにビックリして、テレビをつけました。

 これまでも、サルコジ元大統領は、たくさんの裁判を抱えていて、ついこの間も執行猶予付きの有罪判決が出て、足に装着するブレスレットの着用命令が出ていて、それでさえ、「えっ?ほんとに、サルコジが電子ブレスレットつけるの?」と思った記憶があります。

 今回は、実刑ということで、どうやら刑務所に収監されるのを免れるのは、もはや難しいのではないか?という見方が濃厚ではあります。しかし、彼の弁護士は、「サルコジが刑務所で眠るハメに陥らないように全力を尽くす」と発表していますが、がけっぷちから、もう片足が落ちかけている感じです。

 今回の有罪判決は、「2007年の大統領選挙運動資金をリビアから調達することに関する共謀罪」で、この事件に関しては、すでにサルコジ政権の元大臣2人(クロード・ゲアン氏(受動的贈賄と偽造)とブリス・オルトフ(共謀罪)で有罪判決を受けています。

 今回のサルコジ元大統領に関しては、国家財務検察庁(PNF)の代表者らは、3月下旬、サルコジ元大統領に対し懲役7年を求刑し、「過去30年間で最も悪名高い独裁者の一人と汚職協定を結んだ」と非難し、サルコジ元大統領は、2011年以来、一貫して無実を主張してきました。

 今回懲役5年の判決を受けたサルコジ元大統領は、まださらに裁判を抱えており、2012年大統領選挙の資金提供をめぐる上告審が10月8日にも控えています。

 今回の判決は、仮執行を伴う執行猶予付き拘留命令として言い渡されたもので、彼はただちに収監されることはありませんでしたが、検察庁から1ヶ月以内に召喚され(10月13日)、拘留日が通知されることになっています。

 控訴してもこの安全措置は、停止されることはなく、実際に拘留されることになるはずなのですが、彼の弁護士が「彼が刑務所で眠ることにならないように全力を尽くす」と言っているということは、なにか別の可能性があるのかもしれません。

 もうテレビのニュースなどでは、刑務所の独房の様子などが何気なく流されながら、彼はおそらくパリの中心部にある刑務所?に収監されるだろうとか、安全のために彼は独房に入ることになるだろう・・とか、言っています。

 判決後は、このような場合は弁護士のみがコメントする場合がふつうなのかとも思いますが、サルコジ元大統領は、自分自身でカメラの前に立って、「法の支配にとって極めて重大な問題である」、「私は無実だ!」と判決に異議を唱える意向をすぐに表明。

 懲役5年の実刑判決を受けながら、これほど堂々としている人もなかなかいない・・さすが前大統領・・という感じで、「私は刑務所で眠るが胸を張って眠る」とかなり独特な感じです。

 もはや収監は免れようがないという状況の中で、彼が控訴したとしても「公判前拘留制度」の下で拘留され次第、元大統領は釈放を請求するという手があるとも言われていますが、これには、控訴裁判所は、2ヶ月以内に判断を下します。控訴裁判所が許可すれば、前大統領は、控訴審が審議されるまでの間、電子監視下または、司法監督下に置かれる可能性もありますが、たとえ、比較的短期間であっても収監は避けられないと見られています。

 どの刑務所に収監されるのかはわかりませんが、彼をお迎えする側の刑務所にとっても、かなり気を使わなければならないお客様にちがいなく、それなりの準備が必用なのかとも思われます。

 現在、70歳のサルコジ元大統領。

 元大統領という立場で収監とは・・。

 しかし、権力者に対しても、容赦なく司法の鉄拳が下るというのは、胸のすく思いがするのは、正直なところでもあります。少なくとも、彼のためにすでに有罪判決を受けている人が多数いるのですから・・。

 裁判には、彼の3人の息子が来ていたそうですが、そういえば、前の会社の同僚で息子がサルコジの息子と同級生だって言ってた人がいたけど、あの人どうしてるかな??と全然、関係ないことを思い出しました。


サルコジ前大統領実刑5年


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