2025年9月10日水曜日

バイルー辞任の24時間も経たないうちに次期首相任命 セバスチャン・ルコルニュ 39歳

  


 予想通りというのも失礼なのですが、フランソワ・バイルー首相の辞任が決定した翌日、正確には、辞表が提出されたのが翌日なので、その辞表が提出された数時間後、マクロン大統領は、次期首相に「セバスチャン・ルコルニュ氏」を指名しました。

 大規模ストライキの予定が今後、ギッシリ詰まっているフランスで、次期首相の任命は早くに行われるだろうと大方の予想が出ていましたが、それにしても、24時間も経たないうちに発表されるとは、ちょっと驚きでした。

 ここ2年間(マクロン大統領2期目)で、5人目の首相となる人物は、39歳の現在まで軍事大臣を務めていた人物でした。

 なんといっても、39歳とは若いですが(とはいえ、ガブリエル・アタルの最年少記録は破られていませんが・・)、一見、歳のわりには、貫禄があるというか、そんなに若くも見えない感じ・・現在、彼の人となりを紹介する映像などがニュースで流されていますが、20代前半の映像などでも、ん??そんな歳?太い眉に鋭い眼光、もしかしたら、若い頃からおじさんみたいに見える人・・そんな人??という印象を受けてしまいました。

 見かけは、別として、彼は、非常に若い頃から政治に関わってきている人物で、マクロン大統領に非常に近い忠実な支持者といわれている人物で、今回ばかりは、マクロン大統領も、もう我が身に危険が及ぶのを恐れてか?国民議会の第一党から・・などと言う声は、全く意に介さず、彼自身を忠実に支持しながらキャリアを積んできた強力な自分の腹心のような人物を選んだようです。

 セバスチャン・ルコルニュ氏は、2017年のマクロン大統領の当選以来、全ての政権に参画してきた人物。2017年には、環境・包摂的移行担当大臣(当時31歳で最年少の政府メンバー)、2018年には地方自治相、2020年7月には、カステックス政権下で海外領土担当大臣、そして2022年5月からは、軍事相に就任しています。

 彼は、幼少期から政治への情熱に突き動かされてきた人物、16歳でウール県ヴェルノンでUMP(国民運動連合)に入党し、19歳でウール県議会議員フランク・ジラールの議会補佐官を務め、国民議会で最年少の議会補佐官となりました。そこで、同じく議会補佐官だったジェラール・ダルマナンと出会いました。二人は定期的に一緒に休暇を過ごし、20年にわたる友情を育みました。

 2014年3月、27歳でウール県ヴェルノン市最年少市長に就任し、その後、第一副市長のフランソワ・ウジヨーにその職を譲りました。2015年には、29歳でウール県議会議長に就任し、フランス最年少の県知事となりました。2017年からはマクロン大統領の下で政権に参画してきたわけですが、これまで不思議とあまり印象に残る話題にのぼった覚えがありません。

 今回、この新しい首相に関しては、まだあまり情報が出きっていないので、あまり良くわからないのが正直なところではありますが、今回の人選にしても、この異様に速い首相任命にしても、マクロン大統領がかなり切羽詰まっている感じが受け取れます。

 いずれにしても、おちおちしていると、また、来年の予算が今年中に可決できないなんてこともありえるわけで、もうこのバタバタ具合を「予算案可決までに首相は何人必用か?」なんて嫌みたっぷりの見出しを掲げているところまであるくらいです。


フランス新首相 セバスチャン・ルコルニュ


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