2022年6月28日火曜日

この夏のフライトはストライキ・人員不足のためにキャンセルが激増する模様

  


 今年の夏は多くの航空会社がストライキや欠航の影響を受けると予想されており、航空会社にとっても乗客にとっても、この夏のフライトは複雑で厄介なものになりそうです。

 欧州運輸労連は公開書簡で「航空業界が直面する混乱は夏の間、悪化の一途をたどるだろう」と述べています。

 ストライキといえば、私にとって一番に思い浮かぶのはエールフランスで、予定どおり飛んでくれれば、サービスや機内食なども決して悪くはなく、何よりも日本との直行便(パリ⇄東京)があるために、これまで、何回かは利用してきましたが、以前、立て続けに2回ほど、ストライキのためにフライトが勝手に突如、変更されたため、これに懲りて以来、エールフランスは避けるようになってしまいました。

 これは、コロナウィルスも戦争もなかった頃の話ですが、今年の夏は、フライトがキャンセルになるのは、ストライキだけでなく、人員不足もフライトキャンセルの原因となっているようです。

 まず、ストライキに関しては、エールフランス航空とトランサヴィア航空(KLMオランダ航空の子会社でエールフランス-KLMグループ)がパイロットのストライキを予定しています。同社の経営陣は、パリ・シャルル・ド・ゴール空港とオルリー空港で「パイロット300人、整備士200人、季節限定の地上職員200人を採用する」と発表し、これにより、エールフランスは「観光客の回復を見込んで、この夏は一度もフライトをキャンセルしない」としていますが、にもかかわらず、パイロット組合は、ストライキを計画しています。

 これに加え、トランサヴィア航空は、すでに「7月と8月のフライトの3%をキャンセル」しています。同社によると、これは、プログラムの堅牢性と時間厳守を確実にするためとしていますが、ヨーロッパの航空会社の堅牢性と時間厳守ほど不確かなことはありません。

 また、ライアンエアー、イージージェットの格安便に関しても、イタリア、フランス、ベルギー、ポルトガル、スペインなど多くの地域への便がストライキを予定しているようです。

 これらのストライキに対しては、経営陣と組合の言い分が食い違っており、経営陣は必死にストライキによるキャンセルの影響はないとしていますが、ストライキは確実に予定されており、このためにパイロットが不足していればキャンセルは必須です。

 また、ルフトハンザドイツ航空は、人員不足、ストライキ、コロナウィルス感染により、これまでに発表されているた900便に加え、さらに2,200便をキャンセルが出る予定と発表しています。

 同社は、夏期スケジュールでは、なんと合計で3,000便以上が欠航しています。同社は、現在、「管制官のストライキ、天候、そして何よりもコロナウィルス感染の増加がより重くのしかかっているうえに、コロナウィルス感染のための病欠が、ここ数日で急激に増加した」と報告しています。

 そう言われてみれば、コロナウィルス感染のリバウンドに関しては、ドイツもまたフランスと肩を並べるほど(1日の新規感染者数は8万人程度)、感染者が急増しています。

 パンデミックの影響で大きな打撃を受けていた航空業界もそれに加えてウクライナ戦争の影響での燃料費の高騰などで経営が難しくなっているところにまた、ストライキやコロナ感染のリバウンドでの欠員のための欠航続出。

 強制的な民主化を徹底的に擁護し、様々な税金や国の介入に対して厳しいことを言い切れなかった航空業界が、生き残りを確保するためにあらゆるところから大規模な資金の水増しを受け入れてきた一方で多くの従業員を解雇してきた結果が今、現れているのです。

 その結果、2年半前から誰もが待ち望んでいた回復が、市場を枯渇させ、輸送コストの高騰も相まって、ますます業界の動きを著しく鈍化させているのです。

 旅行を予定している者にとって、急なキャンセルは致命的で、私も前回の日本行きで再度にわたるフライトのキャンセルでつくづくうんざりしています。楽しいはずの旅行でこのフライトキャンセルのストレスでイライラさせられるくらいなら、当分、行きたくない・・と思ってしまうのは、私だけではないはずです。3月にキャンセルになったチケットの料金はまだ返金されていないのです。

 そのうえ、大幅な航空運賃、燃料サーチャージの値上げでは、二の足を踏むのは当然です。


フライトキャンセル ストライキ


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