2022年6月25日土曜日

初めての在外選挙投票に行ってきました! 参議院議員選挙在外投票

  


 恥ずかしながら、私はこれまで20年以上フランスで生活しながら、在外選挙投票というものをしたことがありませんでした。正直、仕事と子育てに忙しく、休みの日も不定期だったうえに、子供の学校や行事などが最優先で、とても、その合間を縫って大使館まで投票に行くということは不可能だと思い込んでしまっていたし、だいたい、日本の候補者についてもわからないし・・などなど・・無理だと決めつけていたところがありました。

 しかし、娘にも手がかからなくなり、また、このパンデミックをきっかけに、フランスだけでなく、日本のニュースも気になり始め、それぞれの対応などについてをあらためて、目を通していると、また、外国にいるからこそ見える日本という国を見ていると、どうにもこのままではいけないのではないか・・と危機感を持つようになりました。

 長く海外で生活しているとはいえ、私は日本人で、日本は私の祖国です。私が海外で生活しはじめて、約4半世紀が経ちますが、海外に出た当初は、アフリカは別においておくとしても、フランスは本当にダメな国で、日本はさすがだ・・と思うことばかりのような気がしていて、私にとって、やはり、いつも日本は誇らしい国でした。

 フランスは、今もダメなところもたくさんありますが、この20年間、いつの間にかずいぶん変わりました。フランスの若い政治家が力強く国を動かしていく様子を毎日見る一方で、日本の政治をもどかしく感じることも多くなりました。

 少子高齢化の問題などは、かなり前から問題にされていたのに、対策が講じられないまま、今まで来てしまいました。以前は、フランスの電化製品のお店などに堂々と並んでいた日本が誇る電化製品などの製品も、いつの間にか姿を消しています。

 どうにもこのままではいけない!と思うけれど、とりあえず、日本を変えていく一歩は選挙で投票することから・・と思い、昨年、まず在外選挙登録をしたのです。これが想像以上に時間がかかり、大使館に在外選挙人登録をしてから、在外選挙人証というものを受け取るまでに3ヶ月以上もかかりました。

 そして、今回の参議院議員選挙にようやく投票に行くことができました。選挙が公示されて、日本の7月10日の投票に先駆けて、在外投票は6月23日から7月3日まで、日本大使館、領事館で行うことができます。この間、9時半から17時まで、土日も含めて投票することができます。(通常の大使館業務は13時〜14時半までは昼休みですが、投票は可能です)

 大使館なのに、昼休みも土日も投票できるのは、助かります。

 あらかじめ、ネットで日本の政党、候補者の詳細をネットで調べてパリの日本大使館に投票に向かいました。大使館の前には、今までみたことのない行列・・しかし、この行列は、投票のための行列ではなく、投票のための人は優先的に入れてくれました。

 久しぶりの日本大使館、さすが日本の大使館だけあって、今、パリで一番、マスク率が高い場所はここではないか?と思うほど、皆、マスクをしていることにびっくりしましたが、広くて、清潔な場所でした。通常のパスポートやビザの申請などの手続きとは、全く別の部屋が用意されています。

 日本人の大使館職員は選挙対応のためなのか?大使館の受付はフランス人職員になっていました。

 無駄足を踏むのは嫌なので、あらかじめ電話で開館時間などの問い合わせの電話をして、(電話もなかかなか繋がらなかった)、「投票について伺いたいのですが・・」というと、「選挙については、連絡先を教えていただければ、こちらからメールでお返事いたします」・・と・・。

 「電話での問い合わせはできないのですか?なぜ?」と食い下がると、ようやく、「では領事部にお繋ぎいたします」とやっと繋いでくれました。それでも、質問をするたびに、「少々お待ちください・・確認いたします・・」が何回か続き、ちょっとうんざりした経緯がありましたが、行ってしまえば、なんのことはありませんでした。

 まず、会場に入り、在外選挙人証とパスポートを見せると投票用紙申請用紙とそれを発送するための封筒に管轄選挙管理委員会宛の住所と名前を記入します。それを提出したところで、選挙人証と記入事項をチェックされ、投票用紙と投票用紙を入れる封筒をもらって、ブースのついたスペースで投票用紙に記入します。

  

候補者と政党がリストになっているファイル

      

 そのスペースには、各都道府県ごとに政党と候補者のリストがファイルになっていて、自分の選挙管理委員会管轄の候補者、政党のリストが用意されているので、その中から候補者、政党を選んで記入します。

 ボールペンでは書き直しができないために、えんぴつと消しゴムが用意されています。投票用紙に記入した後は、投票用紙を入れた外封筒に封をして、氏名を記入し、署名します。投票するのに記名しなければならないのには、少々、抵抗はありましたが、公正を期するために必要だということでした。

 記入後、封筒を渡すと、立会人なる人がいて、サインしてくれるので、その封筒が金庫に入れられるのを確認して終了となります。

 今回は参議院議員選挙だったので、選挙区選出議員用の投票用紙と比例代表選出用の用紙との2種類の投票用紙があり、ちょっと戸惑いましたが、大使館の人は親切に一つ一つ手順などを嫌な顔ひとつせずに教えてくれたので、助かりました。

 しかし、大使館、領事館に直接、来れない人は、個人個人で日本の各市町村の選挙管理委員会に投票用紙を請求し、自分で送付しなければならないそうなので、投票するのに、日本と海外を2往復しなければならない(投票用紙が)そうなので、かなりハードルが高そうです。

 今は、どの国でも問題をたくさん抱えていますが、このままではいけない!と思ったら、まず投票に行かなければ何も変わりません。

 大使館での投票は快適にできるようになっていましたが、海外に住んでいるといっても、誰もが簡単に大使館や領事館に行ける人ばかりではありません。それもネット投票が可能になれば、もっとたくさんの人が投票できるようになるはずです。現在の方法は、人出も時間も費用もかなりかかっているはずです。ネット投票ができるようになるようになってくれればよいのに・・と思いますが、ネット投票になってしまったら、自分の議席が危うくなるような人が政権を握っている現在では、期待薄です。

 とはいえ、初めての投票を終えて、私はひとまず、自分的には満足、これまで日本の政治家のことはわからないから投票できないし・・などと言い訳していたのは、私の怠慢でした。今は、ネットでもなんでも情報はいくらでも手に入ります。調べて、知っていけば、興味も湧いてきます。

 とりあえず、投票を終えて、久しぶりに日本人として大切なことが一つできたような気持ちで、なんとなく満たされた気持ちで、帰りにシャンゼリゼを少し歩いて帰ってきました。

 シャンゼリゼはそれほど人も多くなく、気持ちのよいお散歩でした。


在外選挙投票 参議院議員選挙


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