2022年6月4日土曜日

フランスのコロナウィルス感染者数 再びリバウンド 新しい波がやってきた

 


 フランスの1日のコロナウィルス感染者数は、ここ1ヶ月半ほどの間は、毎週20%程度ずつ着実に減少してきました。気温の上昇もあるでしょうが、やれやれ、どうにか、これで少し感染もおさまってきた・・と思っていました。

 ところが、ここ1週間、感染の減少傾向がストップどころか、一転して増加傾向に転じ始めてしまいました。この過去1週間は、前の週と比べて、月曜日は+6%、火曜日は+10%、水曜日は+19%、今週木曜日は+20%と増加のペースが加速してきています。

 フランス公衆衛生局の疫学者は、「どうやら我々には、新しい波が戻ってきているようだ。死亡や入院などの深刻な影響を心配するのは時期尚早だとしても、感染が再開され始めていることは確かなことである」と発表しました。

 この感染の増加の原因を「ソーシャルディスタンスがとれていないこと」や、「アフリカ南部で確認され、ここ数週間ポルトガルで大流行しているBA4およびBA5と呼ばれる変異種の拡大」としています。

 彼は、「懸念しているのは」フランスだけでなく、「イギリス、ドイツ、スイスも同じようなレベルのリバウンドがある」と指摘しています。

 考えてみれば、これまで、感染の原因と思われる出来事から、だいたい2週間後に感染の増加が始まるということを繰り返してきたことを思えば、公共交通機関でのマスク着用義務化が撤廃されたのが、5月16日のこと、それから約2週間後が先週にあたり、この感染の再拡大の原因の一つには、このマスク着用義務の撤廃も挙げられるかもしれません。

 それまでも、公共交通機関以外では、ほとんどマスクをしていなかったフランス人ですが、この公共交通機関でのマスク着用義務撤廃を機に、さらにマスク率は減り、おまけに、これまでレストランや一般の店舗などでも入口や各テーブルに備えられていたアルコールジェルもほとんどなくなってしまいました。

 人によっては、もう他人がマスクをし続けているのが気に入らなくて、「いつまでも、マスクしてるな」モード全開の人もいます。

 私は、今でもメトロなどに乗る時には、未だにマスク着用を続け、レストランなどでもアルコールジェルがないので、逆に除菌シートを持ち歩くようになりました。私は心臓疾患があるとされているので、やはり感染は怖いのです。

 BA4およびBA5と呼ばれる変異種が理由などとも言われていますが、今回の感染のリバウンドは、明らかに感染対策の緩みが原因だと私は思うのです。公共交通機関のマスク着用ぐらい、まだ残してもよかったのに・・とつくづく思います。せっかく彼らもかなり従順にそこのところは守っていたのですから・・。

 逆にマスクや手洗いなどの基本的なことで、かなり、感染を防ぐことができていたと考えることもできます。

 このリバウンドを前にして、フランス公衆衛生局は「ワクチンは重症型に効くことが分かっています。しかし、残念ながら、私たちは、感染から十分に保護されていないのです。このままでは秋から冬にかけて、再び感染が急激に拡大する可能性がある」と述べると同時に、「今ならまだ間に合う、3回目、あるいは、2回目のブースター接種を行えば、深刻な病院圧迫の事態は避けられる」と断言しています。

 感染者数が増えれば、自ずと感染する可能性も高まるわけで、たとえ重症化しなくとも、思わぬ後遺症に苦しめられることもあります。また、例えば入国に際して陰性証明書を求める国(日本など)に行きたい場合は、感染していたら行けなくなってしまうわけで、やはり、できる限りの注意は続けなくてはなりません。

 この感染状況のリバウンドの報告に、私も再び気を引き締めなおすつもりです。

 そうでなくとも、そろそろ夏のバカンスシーズンに入り、フランスは開放感に包まれ、感染拡大の要素は揃っています。感染が再び増加し続けて、気温の下がる秋〜冬を迎えれば、また、昨年までと同じ道を辿ります。

 私たちは、もう何度も繰り返しているこの感染の波に慣れすぎてしまっているのです。もう今度が第何波なのかさえも思い出せません。


フランス コロナウィルス感染リバウンド 


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