2022年4月28日木曜日

フランス人に花粉症が増えた

    

フランスの花粉マップ


 今年はやたらとなぜか、周囲で花粉症に悩まされている人の話を耳にするようになりました。以前は、フランスでは、こんなに花粉症の話を聞かなかったのになぁ・・と不思議に思っています。

 我が家は母方の親族はこぞってアレルギー体質で、私もしっかり、その体質を引き継いでいて、母も私も叔母たちも春先は特にクシャンクシャンとくしゃみが止まらず、ティッシュを手放せない状態が続き、酷い時には、もうこの時期は外に出られないとまで言い出す者までいたくらいでした。

 私が最初に海外に出たのは、イギリスで、イギリスには花粉症はないのか?と聞いたところ、当時はそれほどでもなく、その後のアフリカでは花粉以前の問題で、アレルギーも全くあらわれず、フランスに来てからは、もっぱら、花粉というよりは、埃とかハウスダストに悩まされることはあっても、花粉症には、それほど悩まされることはありませんでした。

 一方、かなり前に、いつもは夏に一時帰国していたものの、夏には、娘の学校の入学問題があって、夏には帰れない年があって、それなら、4月のお休みの際にと、4月に一時帰国したことがあって、その時は、私の花粉症の最悪の時期で、くしゃみや鼻水だけでなく、花粉症に起因して、喘息のような症状になり、呼吸も苦しくて、せっかくの一時帰国時に丸一日寝込んでしまうという苦しい思いをしたことがあって以来、もう春に日本に行くのはやめようと思ったくらいでした。

 しかし、今は亡き母が「花粉症などのアレルギーも年齢を重ねていくと、どうやら身体がアレルギーに対して大きく反応しなくなるらしく、自然とおさまっていくわよ・・」と言っていたとおりに、ここのところ、私はあまり花粉症に悩まされることはなくなってきました。

 今年もそんなことはすっかり忘れて、春に日本に一時帰国したというのに、花粉症の症状はまったく起こりませんでした。入国の際の書類や検査、そして、入国後の隔離問題などに直面して花粉症のことなど忘れていたくらいでした。

 ところが、パリに戻って以来、ここのところ、やたらと周囲に「花粉症だ・・」と嘆いている人が増えたことを意外に思っています。 

 今日、買い物に出かけて、レジで並んでいたら、近くにおしゃべり好き?なおじいさんがいて、別の女性に、「なんだ、おまえ、いつまでマスクなんかしてるんだ・・」と店内でマスクをしている人にケチをつけているのを見かけて、耳を傾けていたら、その女性は、「ここのところ、花粉症なのよ・・ほら・・」とマスクをずらして、真っ赤になった鼻を見せていました。

 「うわっ!マスクをしている人にイチャモンつけている人が出てきた!」と思ったと同時に、「はて、また、花粉症の人だ・・」とも思ったのです。

 その後、そのおじいさんは、「花粉症」というあまり聞きなれない話題になったことからか、それ以上、その女性のマスク着用に言及することはなく、自分は今は引退していて、かつてはずっとルノーで働いていて、1年前からガンを患っている・・などという身の上話を始め、マスクに対するイチャモンは、おしゃべり好きのおじいさんのほんの話のとっかかりであったことが判明し、ちょっとホッとしたと同時に、いつまでも喋り続けることに、ちょっとうんざり・・。

 しかし、もしも、これから、マスクをしていて、イチャモンをつけられたら、「花粉症なんで・・」というのは、ちょっとした逃げ道になるかな?とも思ったりしたのでした。

 そして、家に帰ってしばらくすると、近所に住む知人が、「ちょっとポニョ(我が家の猫)が喜ぶものがあるから、明日、行ってもいい?」という電話。電話口で、鼻声なので、「どうしたの? 風邪ひいた? まさかコロナ?」と聞いたら、「くしゃみや咳、鼻水が酷いので、医者に行ったら、花粉症だと言われた・・」「今までは、こんなことなかったのに、まったく、歳をとると、いろいろ、生きにくくなるよ・・」と・・。

 またまた出た出た花粉症・・今年はなんで、こんなに花粉症が多いのか? さっそく、フランスの花粉症の状況について、調べてみると、どうやらフランスの花粉症は、白樺と樫の花粉だそうで、日本でよく聞くスギ花粉ではありません。

 しかし、この花粉症がどうやら、フランスではあまり長い歴史を持つものではないな・・と思ったのは、その記事のトップに「花粉症対策として、マスクは有効か?」とあったことで、いくらマスク文化がなかった国とはいえ、花粉症といえば、マスクは定番のアイテムで、日本人からしたら、今さら・・と思うことを堂々と書いてあるのです。

 しまいには、アレルギーの専門医まで出てきて、「マスクをすることであまり苦しまないで済みます、マスクをすると、くしゃみやのどの痛みが軽減されます。マスクには明らかに鼻と口を守る効果があるのです」などと、書かれているのです。

 明らかに日本だったら、もはや公然の事実である誰でも知っている情報に花粉症初心者感が満載です。

 そして、この時期、日本では定番だった(今でもあるんだと思うけど)花粉症マップなるものまで登場しています。

 これまで、そこまで騒いでいなかった花粉症がこんなに増えているとは・・昨年、一昨年は、幸か不幸かコロナのために、ほとんどの人がマスクをしていたために、花粉症が避けられていたのかもしれませんが、「ここ数年の気候変動で、フランスでも一気に花粉が増えたのかな?」などと思っています。

 どちらにしても、コロナ以外でもマスクが有効なことが広まってくれれば、少しはマスクに対する嫌悪感が減ってくれるのではないか?とちょっと、違った期待をしています。


フランスの花粉症


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