2025年2月2日日曜日

死亡事故を起こしたスクールバスの運転手から薬物反応の衝撃

 


 先週、朝、7時40分、ウール・エ・ロワール県(サントル・ヴァル・ド・ロワール地域圏)で、生徒35人を乗せたスクールバスが事故を起こし、15歳の高校生1名が死亡、20名が負傷したと報道されていました。

 この地域がどのような場所であるか?詳しくはわかりませんが、保護者からすれば、便宜性とともに、安全に子どもを学校に送り迎えしてくれると考えての交通手段を選択していることを思えば、そのスクールバスが事故を起こすなどということは、ハプニング的な要素はあったとしても、やはり信じ難い出来事であったに違いありません。

 事故や事件が起こった場合、犠牲者が未成年だったり、その人数が多ければ多いほど、騒動は大きくなりますが、この事故の場合は、それに加えて、この事故を起こしたスクールバスの運転手の直後の唾液検査で「麻薬の陽性反応」が出たことから、この事故は、より深刻な側面をのぞかせ始めました。

 運転手自身は無傷で「分離線に近づきすぎた車両に遭遇し、それを避けようとして、溝に落ちてしまった」・・、つまり、第三者の車両が存在し、その車両の危険な運転のために、バスの軌道から外れ、バスの制御を失った・・と説明しています。

 しかし、事故当時、バスの後ろを走行していた車のオートレコーダーからは、このバスの誤運転の誘因になった車両は、確認されていないと言います。

 そのうえ、この運転手は、薬物反応が出た事実に対しては、「昨年12月以来、自分は麻薬を摂取しておらず、受動的に汚染?したものである。定期的に麻薬を摂取しているのは、彼のバートナーであり、自分は受動的に汚染しただけだ!」と語っています。

 ところが、その後の血液検査によると、彼の血液から0.5ナノグラム発見され、彼が事故前に大麻を摂取していたことが判明、この量は、いわゆる受動的に摂取できる量ではないと検察が説明しています。


 事故後の写真を見ると、なんということのない平坦な道にバスが突然、横転しているように見えるのですが、この曲がりくねった道路の危険性を強調する報告書が作成されていたとも言われています。

 スクールバスとしての安全性を考慮するルートの選定ももちろんのこととはいえ、このバスの運転手はもちろんのこと、運転手を管理するバス運行会社の管理体制も問題視されるべきものです。

 この事故を受けて、運輸大臣は、「さらなる危険を避けるために、運転手に対する麻薬の検査を強化する」と約束。「スクールバスの運行を再開するために、数ヶ月以内に薬物検査を実施する」と述べていますが、なぜ?数ヶ月以内?今、すぐやりなさい!と思います。

 この検査の実施に数ヶ月の準備期間が必用な理由として、「様々な種類の薬物を検出するのは、難しいため・・」と弁明をしており、それまでは、定期的かつ無作為な検査を実施すると述べています。

 それだけ、薬物が多く蔓延しているということだとも思いますが、それにしても、この運転手、自分が起こしてしまった事故に対して、まだウソをつき続けるとは、なんと不誠実なことか?と腹立たしく感じます。


スクールバス死亡事故


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