2022年9月5日月曜日

マクロン大統領は安倍元総理の国葬には参列しない

 


 

 「マクロン大統領は、安倍晋三元首相の葬儀への出席を拒否した」このフランスでの報道を見て、「やっぱり・・」と思いました。拒否したという言い方は厳しい言い方ではありますが、「招待されたにも関わらず、スケジュールの都合で出席できないという回答をした」ということではあるものの、事実上、拒否したという表現が本当は妥当なのだと思われます。

 衝撃的な安倍元総理の襲撃事件は、フランスでもかなり大々的に報じられ、当初は安倍氏の長期政権の功績などが神話として残されるかの如く伝えられました。しかし、結果として、それは、ほんの数日のみのことで、容疑者の殺害動機から、この事件の背景が暴かれるとともに、これを選挙・投票日前までは、事実をふせようとした日本の警察やマスコミなどの様子をフランスのマスコミは、厳しく指摘してきました。

 その後も、統一教会と政治のつながりや、統一教会による被害がどれほどのものであり、また、統一教会への献金という巨額な大金が全て韓国に吸収されてきたこと、問題のある団体であるにも関わらず、統一教会が日本において、勢力を拡大するために名称変更をすることを認めたりしてきたことなど、逐一、容赦なく報道されていました。

 また、近々では、日本では安倍元総理の国葬について、物議を醸していることなどもしっかり伝えられています。

 国葬について、仏ル・ポアン紙等では・・

 「最もナショナリスティックな人を除けば、日本人の大多数はこの国家的儀式に反対しており、東京など国内のいくつかの都市で「安倍の国葬をするな!」「こんなことに税金を使うな!」というデモが起こり、学者や作家が立ち上げた署名運動では、すでに7万人署名の嘆願書が届いている」

 「特に、政府は国会を通さずに式典を開催できる法律の条文に頼り、国葬をゴリ押ししようとしているが、これで良いのだろうか?」「この「国葬」は200万ユーロと見積もられ、すべて国の費用で行われることになる」

 政府報道官は「安倍晋三は総理大臣として8年8ヶ月という最も長い在任期間を持ち、様々な分野で結果を出したため、民主主義の象徴である選挙戦中に暗殺された」「国として、外からの多くの弔意に応えなければならない」と国葬にする理由を説明しているが、だいたい、国葬というもの自体、定義が不確実で、そもそも国葬というもの自体が皇族以外には、存在しないものになっている。

 「1967年に一人だけ元首相(吉田茂)の国葬が行われてはいるが、それは戦後、アメリカの占領下という特殊な状況下でのことだった」「現在の民主主義体制では国葬は規定されておらず、この点に関する法的根拠はない」という日本の政治学者のインタビューを引用して伝えています。

 このような報道からも、日本国民の大多数の反感を買っている、しかも問題ある新興宗教とのつながりが死後、まもなく露呈したスキャンダラスな国葬にマクロン大統領が参加するメリットなど一つもあるわけがありません。 

 空気を読むのが得意なはずの日本人、政府だけは例外のようです。

 マクロン大統領が出席しないと公表したことで、他国の現役の首脳もこれに続く可能性が大です。日本は大金を費やしながら、海外からの現役の首脳はほとんど参加することもなく、岸田首相の目論見の一つと言われている国葬外交も不発に終わることで、さらに不評を増大させてしまいます。

 国葬費用は一応2億円と見積もりを出し、残りの費用は国葬終了後に公開するとのことですが、そんなに無理矢理にも国葬を強行させたいならば、残りの費用は、これを強行する内閣のメンバーのポケットマネーで支払っていただくのは、いかがでしょうか?

 自分の懐が傷まなければ、海外にまで恥をさらして何をやってもいいというのは、あまりにおさまりがつきません。

 ウクライナでの戦争が続く中、インフレ、エネルギー危機など、どの国でも様々な問題を抱える中、海外の現役の首脳は、そんなに暇ではありません。

 フランスから国葬に参加するのは、(日本にはあまり好意的ではない)サルコジ元大統領かオランド元大統領の代理出席を検討中とのことですが、もしかしたら、外務大臣、いや在日フランス大使・・なんてことになるかもしれません。


マクロン大統領 安倍国葬拒否


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