エリザベス女王の国葬の日は熱狂し続けているフランスの報道も、いよいよピークを迎え、早朝6時過ぎからイギリスでの国葬の生中継が始まりました。「今世紀最大のセレモニー」と言われていたエリザベス女王の国葬は、どこを切り取っても完璧で美しい葬儀でした。
イギリスの威厳と品格をこれでもかと感じさせるセレモニーのどの場面も、どこを切り取っても美しい素晴らしい国葬でした。
そして、これを一層盛り上げたのは、数えきれないほどの一般市民で、それぞれに女王を見送る姿は、故意に演出しようとしても成し得ないものでした。
これを相変わらず、我が国のことのように前のめりに報道し続けるフランスは、報道だけではなく、この日は、パリのメトロの駅 「George Ⅴ」駅が駅名を「ELIZABETH Ⅱ」に変更するという過熱ぶりで、ここはパリだよね・・などと思いました。
Le groupe RATP rend hommage à la reine d’Angleterre en renommant pour la journée la station George V en Elizabeth II. pic.twitter.com/QfcJzV8LpL
— RATP Group (@RATPgroup) September 19, 2022
こんなに女王の国葬に熱狂するフランスとイギリスの関係もまた、摩訶不思議な現象でもありますが、国葬当日は、さすがにフランスだけではなく、全世界40億人が見守ったと言われています。
ウェストミンスター寺院での葬儀はかなり宗教色が強いもの(というよりそのもの)ではありましたが、「これがイギリスの国葬だ!」と毅然として、それを崩さない姿勢にも好感が持てました。
全世界に流された映像は、BBCが独占で撮影したものでしたが、その場面場面、画角、演出なども、これは映画の映像かと思われるほどの質の高さで、イギリスの美しさを最高に見せつけるものでした。
エリザベス女王の棺は最初から最後まで、常に軍隊がガードし、葬儀終了後に棺がウィンザー城に向かう時には、棺は、海軍兵が引いていきましたが、この伝統は、ヴィクトリア女王の葬儀の際に馬に引かれていた棺が、馬がパニックになって走り出したために、倒れそうになった時、助けに来たのは英国海軍の水兵で、棺を人の背中に乗せて引っ張ったというエピソードに由来しているイギリスの伝統なのだそうです。
こうした一つ一つの儀式には、伝統的な由来があり、そして、その一つ一つが美しいのですから、もう参りました・・という感じになります。
極め付けの美談は、エリザベス女王は1年半彼女を待って王室保管庫に安置されていた夫のフィリップ殿下と共に、ウィンザー城のセント・ジョージ礼拝堂に埋葬されたということで、これはお二人が生前に、「どちらかが先に逝っても埋葬せずに待っている」という約束だったそうで、お見事としか言いようのない最期でした。
女王の棺は30年前から用意されていたという噂もあり、ご高齢であっただけに、いつ何が起こってもいいように準備は万端であったであろうとはいえ、何から何まで、本当に見事でした。
この国葬を見て、「イギリスって、やっぱりすごい!かっこいい!」と感じた人は少なくないはずで、エリザベス女王は、70年間、女王として国のために尽くし、またその死をもってしてもイギリスに大きく貢献したのです。
エリザベス女王国葬
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