フランスは9月8日のエリザベス女王ご逝去からの一連の流れに釘付けのような騒ぎようですが、いよいよ国葬の日を迎えるにあたって、脅威的な盛り上がりを見せています。
エリザベス女王のご逝去からイギリス王室の伝統的な一連の儀式や、どれほど、イギリス国民にとってエリザベス女王がどんなに大きな存在であったか、棺と対面するためにウェストミンスターから、ベッカムでさえも12時間並んだとか、今は16時間待ちだとか、夜通し行列する人々の声などを届けながら、今世紀最大の葬儀の様子をフランスは、もう一週間以上も熱狂的に報道し続けています。
そんな報道を見ていると、これまで取り立てて考えることもなかった王室や皇室の存在や意味、意義をあらためて思い知らされる気持ちがしています。
この今世紀最大の葬儀と言われるエリザベス女王の国葬には、夜通し並んでまで最期のお別れをしたい国民や各国からの弔問には、年齢、性別、職業、宗教、政治的思想、国籍など全て異なる人が集まっており、こんなにも多種多様な垣根を越えて、これほどの人々が集まるという出来事は、他にはちょっと考えられない凄いことなのだと思うのです。
国葬当日には、世界中から約500人の国家元首ら賓客が弔問に訪れ、前日夜には、世界中の要人が続々とロンドンに到着する中、この国家元首はそれぞれの国にとっては、トップの人々でありながら、これだけたくさんの要人が集まるとなると、その一つ一つの国の要人は、たくさんの弔問客に埋もれてしまい、一人一人は特に取り上げられることはありません。
フランスでは、マクロン大統領のロンドン入りが報道されるのはもちろんのことですが、その他は、当日のウェストミンスター寺院への移動は、専用車の利用が禁止されているところ、アメリカのバイデン大統領だけが警備上の理由で特別に専用車を使うことを許可されたなどと報道されているくらいで、他はその他大勢の扱いです。
ところが、その他大勢に入らなかったのは、日本の天皇皇后両陛下で、日本の皇室、天皇皇后両陛下のイギリス国葬参列は別格扱いです。
エリザベス女王の70年にわたる在位中に日本の皇室は、現在の天皇の祖父にあたる裕仁(1901-1989)、明仁(1933年~2019年退位)、そして現在の成仁天皇と三代にわたり友好関係を保ち続け、成仁天皇はオックスフォード大学留学中にも、女王陛下からのご招待を受け、バルモラル城で休日を共に過ごすなど、英国王室との交流があり(皇后陛下も時期を隔ててオックスフォード大学で学ばれていた)、イギリス王室と日本の皇室との関わりの深さから、本来は日本の天皇皇后両陛下は、海外の葬儀に参列することは前例がない中、エリザベス女王の葬儀には、特別に参列することを望まれた結果で、イギリス王室と日本の皇室の強い絆が反映されていると伝えています。
天皇皇后両陛下は「女王の多くの功績と貢献」に対して感謝と尊敬の念と深い哀しみを表し、女王の死を聞いて3日間の喪に服したと言われています。
今回の主人公?であるイギリスは、これだけ国全体が哀悼の意に包まれている王室を大切にしている国、またそのイギリスの一大事を熱狂的に報道しているフランスも王室・皇室に関しては、やはり別格に扱うところがあるのです。
本来ならば、500人以上の国家元首ら賓客の中には、埋もれてしまいそうな日本ですが、日本からは歴史ある皇室から天皇皇后両陛下が慣例を越えて参列されるために別格扱いの注目を集めていることに、なんだか、ちょっと久しぶりに日本が誇らしい気持ちになりました。
これだけの賓客が集まる中、席次も大変なことだろうと思いましたが、天皇皇后両陛下は4列目に、(ちなみにバイデン大統領は16列目)着席されました。
今、パンデミック、戦争と世界中が不安定な中、政治や宗教を越えて確固として存在し続けている何かはとても重要なもので、このエリザベス女王の葬儀の一連を見て、王室や皇室の存在というものは、思いの外、貴重な存在であったのではないか?とあらためて、感じているのです。
天皇皇后両陛下イギリス国葬参列
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