2022年9月23日金曜日

フランスには王室がないのだと実感したマクロン大統領夫妻のロンドン散歩

  


 先日のエリザベス女王の国葬に参加したマクロン大統領の服装がちょっとした話題を呼んでいます。正確に言えば、国葬に参加した際の服装ではなくて、前日に前乗りでロンドンに到着したマクロン大統領夫妻がお忍びでロンドンの街を歩いていた際の服装についてです。

 これは、一瞬、デマ情報まで流れ出し、あたかもマクロン大統領夫妻がこの様相で国葬に参列したかのごとく、ネットを駆け巡りました。

 実際には、前日、ロンドン到着後にエリザベス女王の棺とウェストミンスターで対面するまでの短時間にロンドンの街をお忍びで歩いていた時の映像です。お忍びとはいえ、SPを従えて、全世界に顔を知られているマクロン大統領は、サングラスをしているとはいえ、一目瞭然のうえ、記者にマイクを向けられて、彼はイギリス国民が行列している横で、「イギリス国民の悼みを分かち合う」と答えています。


 

 しかし、フランス大統領という立場である彼のその姿は、とても悼みを分かち合っているようには映らず、このことはむしろ、黒いサングラスに流行りのスニーカーを履き、たくさんのボディーガードをお付きに歩き回る映画スターを連想させ、イギリス人の不評を買うことになりました。そして、しまいには、フランス人からもフランス人のエレガンスがまるで感じられないとフランス国民からも否定的な声があがりました。

 お忍びとはいえ、これだけ目立つ存在であるマクロン大統領は、イギリス人からは、「白熊専用のゴルフクラブに入ろうとする黒眼鏡のキリンと同じくらい、気づかれないようにする才能がある」などと皮肉を書かれています。

 口が上手くて、エリザベス女王のご逝去後にすぐに最大限の弔意を発表していたマクロン大統領でしたが、この映像には、やっぱり口だけか・・というよりも王室に対する礼節を理解していない・・と多いにがっかりさせられるものでした。

 フランスがどれだけエリザベス女王の国葬騒ぎに熱狂し、「イギリスの女王でもあり、私たちの女王でもあった」などと言いながら、やはり王室に対してのリスペクトの仕方は、この程度のもので、やはりフランスには王室がないゆえ、王室というものの品格やマナーが理解できていないんだろうな・・大統領でさえも・・と感じてしまったのです。

 国葬のための訪英をしているフランス大統領は、イギリス到着時からイギリスを発つ瞬間まで、フランスを代表している存在であるべきなのです。普段はスーツにネクタイ姿しか見せない彼が濃紺のジャケットにチャコールのパンツ、黒のトレーナーにマフラーを短く首に巻くというカジュアルな装いで街に出るというわきまえのなさ。


 これは、フランス国民には、思わぬ別の反感をも買うことにもなり、この時マクロン大統領が履いていたスニーカーは、フランスの「ウェストン」というメーカーのもので、「ウェストンのプロモーションのつもりか?」とか、「マクロンのスニーカーは570ユーロ!豊かさの終焉とは貧乏人への言葉だったのか?」などと炎上しています。

 いずれにせよ、古臭いことを言うおばちゃんみたいではありますが、前日のこととはいえ、国葬のために訪れたロンドンでのマクロン大統領の様子は、日本語で言えば、不謹慎?礼儀をわきまえない、作法を知らない・・とでもいうのでしょうか?

 やはり、日本を発たれる時には、白マスクだった日本の天皇皇后両陛下がロンドン到着時には、黒マスクに交換されているような心遣いが日本人としては、非常に好ましく、英国王室に対してのリスペクトが感じられ、それこそが王室へのリスペクト、マナーだと思うのです。


マクロン大統領夫妻トレーナーとスニーカー


<関連記事>

「日本の天皇皇后両陛下のエリザベス女王国葬参列は別格扱いの報道」

「「私たちは豊かさの終焉の時を生きている」マクロン大統領閣僚理事会での厳しめのスピーチ」

「完璧だったエリザベス女王の国葬は世界中にイギリスを再評価させた」

「エリザベス女王ご逝去のフランスでの報道」

「まだまだ続くフランスのイギリス王室フィーバー」

「エリザベス女王に熱狂するフランスの報道に見る王室・皇室の存在」


0 コメント: