今回の摘発のきっかけとなったのは、昨年末に当局が、ブラジルからのフランスへの飛行機によるコカインの輸送を特定し、特定された便がシャルルドゴール空港に到着後、貨物パレットの検査が行われ、コカインの塊45個(計50㎏)が入った箱が発見されたことが始まりでした。
その後、1月22日にこのブラジルからのコカイン密売の大規模組織摘発に向けて、約100名の国家憲兵隊と様々な専門部隊が動員された特別チームが設けられ、着々と捜査が進められてきました。
捜査により、セーヌ・サン・ドニを中心として活発に活動するコカイン密売ネットワークを特定、この密売組織は、空港会社の従業員や幹部数名を雇って、毎月20㎏から50㎏のコカインを輸送していたことが判明しました。
つまりは、空港の検査員を買収して抱き込んでいたのですから、空港の通過も難なく通ってしまっていたわけです。少し前に、漁師を巻き込んで密輸の手伝いをさせていた海路でのコカイン密輸が摘発されていましたが、今回の空路の場合は空港職員を抱き込んでいました。
いつも私が日本に帰国した際に、スーツケースいっぱいの食糧品を重量が超過しないかとドキドキしながら、荷物を持って帰ってきているのが、ホントにバカみたいです。
今回の摘発では、当局は、フランス・ブラジル間のコカイン密売組織を壊滅させたといっていますが、これで本当に壊滅したかどうかは、別としても、この大きな摘発が彼らコカイン密売業者にとっては、重大な回路が奪われたことには、違いありません。
この事件では、オワーズ県、パ・ド・カレー県、セーヌ・エ・マルヌ県、ヴァル・ド・マルヌ県、ヴァル・ドワーズ県、セーヌ・サン・ドニ県などイル・ド・フランス地域圏を中心に8名を逮捕しています。
今回の逮捕劇で逮捕されているのは、8名だけですが、実際にこれに関わっている人数は、相当数にのぼるものと見られています。
6月3日の摘発において、当局は、約50万ユーロの資産と10万ユーロを超える現金を回収。加えて当局は、拳銃と弾薬、防弾チョッキ、現金10万1,605ユーロ、高級衣料品や香水、宝石類、車5台、家屋、銀行口座を含む48万6,000ユーロ以上の犯罪資産が押収されています。
しかし、考えてみれば、毎月、20㎏から50㎏密輸されていたというコカインは、それだけ、需要があったというわけで、しかも、これにより、彼らは莫大な資産を築き、そのうえ、拳銃や防弾チョッキまで備えているとは、恐ろしい組織です。
フランス・ブラジル間 大規模コカイン密売組織
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