先週末、ノルマンディー沖で コカインの密輸ネットワークを壊滅させる前例のない麻薬撲滅作戦が展開され、その結果、800キロのコカインが押収され、30人が拘留されています。
正直、大量の麻薬が押収されたというニュースには、もはや、あんまり驚かなくなってしまった感じもするのですが、今回、かなり驚いたのは、この密輸船で運ばれていた大量のコカインを最終的にフランス国内に運び込むという作業?を漁師が請け負っていたという事実でした。
これまでも、密輸船でフランス近海まで運ばれたコカイン等の麻薬の梱包は、海に投棄され、海岸に打ち上げられたものを回収するという不確か?な手法によって、密輸されてくるのが、一般的だったようですが、これを海岸に打ち上げられる前に漁師が回収して、いわゆる主要港ではない港(今回は、カルヴァドスの小さな港ウィストルアムの予定だった)に運ぶという新しい手法が生まれていました。
この麻薬撲滅作戦には、100人の捜査員が動員され、18か月間の捜査を続けていました。
アムステルダムに到着予定だったブラジルからの貨物船は、海峡に到着すると、積荷の一部であったコカインを海に投棄、投棄されたコカイン(梱包)は、即時、共犯の漁船によって回収、その後、コカインは最終的には、さらに小型船に積み替えられようとしたところで、警察が介入するといった映画さながらの海上捕り物劇となった模様です。
深夜0時頃、2隻の漁船が岸に戻る途中、そのうち1隻の船上で800キロのコカインが押収されました。黒いテープで巻かれただけの26袋のコカイン(市場価値5,000万ユーロ相当)は、船の調理室のハッチの下に隠されていたといいます。
密輸船の乗組員全員(フィリピン人)22名、共犯者8名(うち3名は漁師)が逮捕、麻薬密売人は麻薬をヨーロッパに持ち込むために革新?を続けていると言いますが、まさか漁師まで抱き込むとは、驚きです。
比較的、低所得者が多いと言われる漁師を巻き込んで、彼らの貧因に付け込んで抱き込もうとするのは、これまでも、SNSを使って、麻薬密売組織のボス同志の争いにティーンエイジャーの殺し屋を募集したりしているのと、同じやり方なのだ・・と思いました。
拘留された共犯者8名は、「麻薬密売人からの脅迫を受けてやった」と主張しているということですが、真偽はわかっていません。
ひとつ言えることは、麻薬密売人たちは、このように彼らの手先として利用していた人間は、いつでも容赦なく切り捨てるということで、彼らが拘留されたからといって、その組織の中核までが解体されるとは限らないのです。
貧困のために、この漁師たちがこのような仕事に手を染めたのかどうかはわかりませんが、少なくとも、彼らは今後、海にできることもできなくなるであろうことは想像に難くありません。
コカイン密輸 漁師
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