2025年4月23日水曜日

地球温暖化とイワシ

  


 「地球温暖化による気候変動のためにイワシが不漁・・小型化している」という報道を見て、「そういえば、イワシくん・・君を忘れていましたよ・・」と思いました。

 フランスに来て以来、しばらくは、フランスの魚売り場に出回っているお魚を色々と食べてみていた時期もあったのですが、スーパーマーケットなどでは特に、その種類も減っているような気がするし、とにかく高いのに美味しくないというか、高いからといって美味しいとは限らないため、もう探すのもやめてしまった感じなので、たまにマルシェを覗いたりしたときに、「これは!」と思うものがあれば、買うこともあるのですが、フランスでは、すっかりお魚というものを食べる機会が激減しています。

 それに比べて、さすがに日本のお魚売り場の充実具合は素晴らしく、私の中では、魚は日本に行った時に思いっきり食べればいいか・・と、あとは、もっぱら、フランスでの私のお魚は、PICARD(ピカール)の冷凍のお魚(特に鯖の切り身など)に頼っています。

 そもそも、いつ行っても同じ魚が並んでいる感じのフランスのお魚屋さん・・レギュラーメンバーは、なんといっても、よっぽどフランス人は好きなんだなと思われるサーモン、そして、舌平目や鱸(スズキ)、タラなどの白身魚、茹で海老などでしょうか?

 その中に以前は、イワシもあった気がしますが、最近は、そういえば、あんまり目にしなくなっていました。イワシならば・・と以前は時々、買うこともあって、グリルしたり、から揚げにして、南蛮漬けにしたりもしたのですが、姿を消しても、そもそもそんなに存在感があったわけではないので、すっかりその存在自体を忘れていました。

 以前は、そんなイワシの中には、「これ?ほんとにイワシ?」と思うような大きなイワシも並んでいたりもしたのですが、今は市場にもあまり登場しないうえに、小型化が問題になっているようです。

 フランスでは、イワシが最も消費されるのは、いわゆるオイルサーディンのような缶詰めなのだそうで、特に年配の世代には、食べるものがなくなったとき、安全策としてイワシが常にあるようで、缶詰めのイワシは地味に売れ続けている商品なのだそうです。

 そういえば、フランス人の亡き夫も非常食のように、このイワシの缶詰とラタトゥイユの缶詰を常に買い置きしていたのを思い出します。

 遡って2000年から2010年の時点で崩壊の道を辿っていた地中海のイワシ漁では、すでにサイズの縮小が見られていました。これは、地球温暖化による魚の餌となる動物プランクトンの減少や変化によるものと言われてきました。

 このため、イワシはより温かく、酸素の少ない海で、小さく質の低下した獲物を食べるためにより多くの努力をしなければならず、そのためにより多くのエネルギーが必用となります。その結果、イワシは15年間で50%も小さくなっています。

 小さいイワシの場合、内臓を取り出すのも缶詰めにするのも手作業なのだそうで、労働集約度は2倍かかることになります。

 網を張り巡らせてイワシを量獲する巻き網漁師は、特にアジやサバの漁獲量が大幅に削減されて以来、この小魚?に大きく依存していたと言われていますが、このイワシ漁も成り立たなくなりつつあり、漁業から離れる若者が急増しているとか・・。 

 不漁に加えて、このコスト高でイワシの缶詰めは品薄状態なのだそう・・。

 私の場合、缶詰めも含めてイワシの存在自体を忘れていたくらいなので、イワシの缶詰め売場もあまり見ていないので、正直、品薄なのか気付かなかったくらいなのですが、その存在を思い出してみると、アレンジしてみれば、結構、食べられる食材だったのではないか?と、今度、買い物に行ったら、イワシの缶詰めを調達してこようと思っています。

 それにしても、海は繋がっているのに・・なんで、これしか魚がないの(魚の種類)?と恨めしく思った時期もありましたが、要は需要と供給の問題もあり、そもそも、魚は圧倒的に人気がないのです。


地球温暖化とイワシ


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