2025年4月11日金曜日

パリの大気汚染は20年間で半減した

  


 エアパリフ(Airparif・イル・ド・フランス地域の大気質(大気汚染)を監視するために環境省に認可された大気質監視協会)は、パリ(イル・ド・フランス)の大気汚染は、20年間で半減したと発表しました。

 この大気汚染が改善されているのは、はっきりとはわかりづらいとはいえ、ここのところ、お天気が良い日が続いて、パリの空ってこんなに青かったかな・・と思うほど、青空がきれいに感じていたので、このエアパリフの発表を見て、ああ、大気汚染が改善されていることも空が青く感じる理由のひとつだったのか・・と単純に思ってしまいます。

 思い返してみれば、パリ市は、この環境問題への取り組みが、そこまで環境アピール??と、ちょっといやらしいくらいにかなり、パワフルにというか・・露骨というか、車に対する規制などが、どんどん厳しくなったり、ナンバーごと(奇数・偶数)に交通制限したり、居住者および配達用などの車以外は侵入禁止にする地域があったり、歩行者天国(もしかして死語?)にする地域があったり、色々と取り組みが続けられてきました。

 私自身は、パリでは車を運転しないので、このような規制もあんまり関係ないな・・と思ってしまうものの、車を愛用していた人々にとっては、ずいぶんと厳しい話だな・・とも思っていました。

 まあ、交通網は充分に発達しているパリは、公共交通機関で充分に動けるというか、その方がラクだったりもするのですが・・。

 また、個人的に最も感じるのは、自転車に乗る人が増えたことで、これは大きな変化のひとつかもしれません。パリの道路には、自転車レーンが多く設けられるようになりました。この自転車の普及は、そもそもの環境問題に加えて、パンデミックの際の感染回避しようとする人々が通勤に自転車を利用する人が増えたこともこれをさらに加速化させたように思います。

 今では、パリ・リヨン駅などの大きな駅にも自転車置場ができていますし、街中にも自転車置場を見かけることも増えました。私は、最近は、もう自転車にもめっきり乗らなくなりましたが、何が嫌って、自転車は、かなり頑丈な鍵をかけておかないと、盗まれるリスクも高く、これを気にして自転車ででかけるのは、もう面倒になったからです。

 とはいえ、今では、20年前には考えられなかったくらい自転車人口が増えたと思います。

 このことは、大気汚染改善に、少なからず影響していると思われます。

 エアパリフによれば、「2005年から2024年の間に人体の健康に最も有害な規制対象の大気汚染物質(微粒子と二酸化窒素)の濃度が半減した」のだそうです。

 こうして良い結果が公表されることは、なんだか自分では何もしていないけど、良い成績表をもらったような、そんな気になるのはげんきんなものです。

 とはいえ、これを維持するためには、さらなる厳しい規制が必用であると、2030年に向けての新たな欧州の制限値を設けることも付け加えています。

 というのも、イル・ド・フランスの中でも、大気汚染が改善されていない場所、特に環状道路(A1、A3、A4、A6高速道路)の周辺地域は、問題視されています。

 また、このエアパリフは、「大気汚染削減対策の継続と拡大により、7,900人の早期死亡を防ぐことができる」と締めくくっているます。

 ただ、シンプルに空が青くなるのは、気持ちいいことです。


パリ大気汚染半減


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