2025年4月9日水曜日

すごかったパリ17区の大火事

 


 先日、夜のニュース番組をつけたら、パリ17区で大火災!という映像が流されていました。映像はDIRECT(生中継)と出ていて、サマータイムになり、日が長くなり、まだ真っ暗にはなっていない独特なブルーの空に炎が燃え上がる映像に、「なかなかな規模の火事だな・・何が燃えているんだろう? どこなのかな?」と思っていました。

 その時の生中継では、パリ17区というだけで、その規模の大きさ、消防車60台、消防士が200人出動しているというだけで、詳しい火災現場や、火災の原因などは流れていませんでした。

 しかし、だんだん日が暮れてくるにつれて、火災現場の引きの映像が流れ始め、引いてみると、環状線ごしに、ものすごい黒い煙幕が広範囲にわたってパリを覆っていて、その時点で、「もしかしたら、これ、家からでも見えるのかも?」と慌てて窓のカーテンをあけてみると、なるほど、家からでもパリの街を大きく黒い煙幕が覆って煙が流れていくのが見えました。

 我が家はパリの中心地ではないうえに、比較的、上の方の階にあるために、パリが高層建築が少ないこともあって、パリ祭の時の軍事パレードの航空ショー?のトリコロールの噴煙などが辿っていく道が見えたりもします。

 しかし、この日に限っては、パリ祭のトリコロールの噴煙の何十倍ものボリュームで、こんなにものすごい黒煙で、近くの人は無事なんだろうか?と心配になるほどでした。

 私が外を見たのは、ちょうど、エッフェル塔がシャンパンフラッシュしている時だったので、21時ちょうどくらいだったと思います。キラキラ光るエッフェル塔に迫ってくるかもしれないと思われるパリを覆い尽くす黒煙は、とても奇妙な光景でした。

 翌日の報道によると、火災現場は、17区にある廃棄物処理場の施設だったようで、主に段ボール、プラスチックなどが選別されてやってくる場所だったようで、これが炎の勢いを強くした原因だったと言われています。それにしてもあんな黒煙幕、初めて見ました!

 近年、リチウム電池やセルなどが原因の火災が年間100件以上発生しているそうで(日用品に使用されているリチウム電池などは、特に火災の原因になるそう)、今回の火災の原因も同様のものであったことが疑われており、また、集積していた段ボールやプラスチックが炎の勢いを加速させ、大量の黒煙が発生した原因であったとも言われています。

 リサイクル企業連盟の会長によれば、リチウム電池やセルなどが原因の火災(100件)だけでなく、火災そのものが増加(年間140~150件だったものが、年間400~500件になっている)しているとのことで、驚くことに、これには、鎮火した火災の数は含まれていないということです。

 とはいえ、廃棄物処理場全体の建物は崩壊し、これだけの大きな火災にもかかわらず、死傷者は出ていないとのことで、不幸中の幸いでした。

 パリ警察署によれば、「黒煙の毒性は検出されなかった」と発表していますが、どう考えても、身体にいいわけありません。

 当面の差し迫った問題のひとつは、通常は、この処理場で受け入れていたゴミをどこに割り振るかが速やかに解決すべき問題、でなければ、いつかの年金問題のゴミ収拾業者のストライキの時のようなことになります。

 しかし、火事って怖いな・・意図的に燃やさなくても、炎と煙はあんなに燃え盛るものなのかと思いました。

 

パリ17区大火災


<関連記事>

「フランスのゴミの収集 フランス人の衛生観念」

「ゴミの捨て方に見るフランス人のモラル フランス人には、箱を潰して捨てようとか、そういう観念はない」

「自分の落としたゴミを拾ったら、びっくりされて、すごく感謝された!」

「年金改革問題 ストライキ続行で街中にゴミが溢れるパリ」

「ゴミ収集業社ストライキから20日後、民間のゴミ収集業社も無期限ストライキ突入」



0 コメント: