2025年6月10日火曜日

人道支援船「マドリーン」拿捕に抗議する人々がレピュブリック広場に溢れている!

  


 私はこのガザへの人道支援船が出航したことまでは知っていたのですが、その後、この船がイスラエルによって拿捕されていたことは知りませんでした。

 昨夕、パリ・レピュブリック広場に人が溢れている・・というニュースを見て、「なんでなんで?何があったの?」と、最初はわかりませんでした。

 なにしろ、人の集まり方が尋常ではなく、パリでは度々、デモがあったりすると、その集合場所になって、レピュブリック広場に大勢の人が集まることは、決して珍しいことではないのですが、これだけの人が集まるということは、そうそうあることではありません。しかも、週明けの月曜日に・・。

 これは、この医療支援と食糧を届けるためにガザへ向かっていた船で、この船には、環境活動家のグレタ・トゥーンベリ氏、パレスチナ人自由連盟の欧州議会議員リマ・ハッサン氏、フランス人ジャーナリストを含めた12名が乗船していました。


 

 このうちの6名はフランス人であったことから、フランスでは特に大騒ぎになっているようで、もともと人道的な案件については、ことのほか、強い反応を示すフランス人・・これだけの人が集結しているのもうなずける気がします。今回のこのデモは、人道支援船の救助に加えて、そもそものガザでの大量虐殺に抗議しているものです。

 これには、早々にマクロン大統領もイスラエルに対し、「人道支援の封鎖は恥ずべき行為である」と強い非難の意を表明し、「フランス人6名の解放」を求めています。

 これに対し、イスラエル外務省は、「帆船はイスラエル沿岸に向けて安全に航行している。乗客は安全に帰国する予定である」と声明を発表しています。

 また、同省は、「この人道支援船はグレタ氏らが宣伝目的のみで、トラック1台分にも満たない支援物資でメディア挑発行為を企てた。過去2週間で1,200台以上の支援物資を積んだトラックがイスラエルからガザ地区に入り、ガザ人道財団が約1,100万食の食事をガザ地区の民間人に直接、配布している」、「船に積まれていた援助物資は、正当な人道的ルートを通じて、ガザに移送する」とも付け加えています。

 このイスラエル側の言い分が真実かどうかは、別としても、少なくとも人道支援船を拿捕し、乗組員を拉致するという控え目にいって、強引で暴力的なやり方には、疑問を感じずにはいられないところです。

 拿捕されたマドリーン号は、イスラエル海軍の船艇2隻に護衛され、その日の夕方イスラエルのアシュドッド港に入港しています。

 WHO(世界保健機構)は、先週末土曜日に発表した声明で「ガザ地区の保健医療はすでに崩壊しており、同地区(特に北部)にはすでに機能している病院はない」と発表しています。

 この人道支援船がマスコミへの広告目的であったとしても、それを拿捕したことで、一層、この騒ぎは広まった気がします。


人道支援船「マドリーン」拿捕


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