2023年4月14日金曜日

パリでお花見 緑の芝生の中にあるソー公園の八重桜(Le parc de Sceaux)

  


 パリ(正確にはパリ近郊)でお花見といえば、ソー公園(Le parc de Sceaux)が有名だという話はよく聞いていましたが、この時期、日本人をはじめ、アジア人がおしかけるというので、あまりの人混みを思い浮かべていて、これまで20年以上もパリに住んでいるのにソー公園のお花見には行ったことがありませんでした。

 昨年のお花見の季節は久しぶりに日本にいたので、日本の桜を楽しむことができたのですが、日本の場合はこんなに街の中に桜ってあったかしら?と思うほど、特にお花見のために公園などに出かけなくとも、桜の木は東京の街の中、あちこちに存在し、また、ほんの短い桜の季節の桜の花が組み込まれることを計算にいれてデザインされているかのごとく作られている東京の街に、やっぱり街に溶け込んでいる桜は美しい・・日本の桜はいいな・・と感じ入ってきたのでした。

 パリはお花の多い街ではありますが、日本のような桜は少なく、あまり街中では桜を楽しむという感じではありません。

 これまで公園のお花見というと、どうも日本の「桜の木の下で宴会」というイメージがあったのも、これまでソー公園のお花見に行かなかった理由の一つでもありました。

 しかし、昨日はパリの街中はまたデモで、どこで足止めを食うかもわからない感じで街中には出たくないと思っていたところ、たまたま Instagramでソー公園の桜を見かけて、「今が桜の時期なんだ!今日はソー公園に行こう!」と出かけたのでした。



 ソー公園は181haもあるけっこう広い公園で、中にお城まである壮大な公園で、樹木なども美しく剪定されている見事な公園です。公園内(西部)には100本以上の八重桜の木が植えられており、この時期、公園入口には「hanami」の看板が立っています。






 緑の芝生の中に咲く桜の花というのも、また別の趣がありますが、それに加えて、日本をイメージしているのか?八重桜が固まって咲いている場所の入口には鳥居がたっており、ちょうちんがかかっています。



 また、日本の桜について、説明しているパネルがいくつか立っており、日本人から見たら、こんなことを紹介するんだ(100円玉に桜の花が刻印されている・・とか、なぜか昨年の日本の桜予報など)と思うような日本における桜の位置づけなどについて、説明しています。


 また、見ている方も「ウ~ラ!セ・マニフィック!モン・フジ!」(ワォ!素晴らしい!富士山!)などと感激して写真を眺めているので、「ん??富士山のカタチとちょっと違うような・・」と思って、写真を覗くと、桜島だったりしましたが、別にいきってそれを訂正する必要もなく、そのくらい緩い感じで日本の桜を楽しんでくれているのは悪くないかな・・と思ったりもしたのです。

 平日にもかかわらず、けっこうな盛況ぶりで、日本人は全くみかけませんでしたが、けっこう観光客も来ているようでした。年金改革問題で荒れている現在のフランスとは思えない、平和で美しい風景でした。





 サンドイッチなどを持ってきて、ピクニックをしている人もいましたが、宴会のような雰囲気ではありません。また、公園は朝7時からで夜20時30分には閉まってしまうため、夜桜見物はできません。



 犬の散歩に来ている人も多いし、この一画以外は、ヨーロッパの公園の風景であることも面白いし、何よりも、ただ日本の桜を植えてあるだけでなく、ちょっと見当違いの鳥居や個人的にはない方がいいかも?と思われるちょうちんを飾ったり、日本の桜を紹介するパネルを立ててくれていたり、なんだか日本文化に対する尊敬の気持ちが見えるようでうれしい気がしたのでした。

 駐車場もあり、車で行くのが楽だとは思いますが、電車(RER B線)でも、パリからそんなに時間がかからずに行けるので、この時期にパリを訪れることがあれば、ちょっとお花見を楽しむのもいいかもしれません。

 なお、電車(RER B線)で行く場合は、Parc de Sceaux駅よりも、La Croix de Berny駅の方が八重桜の一画に近いです。


hanami  ソー公園のお花見 八重桜 Le parc de Sceaux


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