フランス保健当局は、2021年9月15日から施行されている医療従事者および介護者の予防接種義務を終了することを提言し、保健省は、この提言に従うことを発表しています。
とはいえ、現段階での医療従事者および介護者の中でワクチン未接種者は0.3%と言われており、大勢に影響はないと思われますが、一時は、このために、「ワクチン未接種の場合は、事実上の退職勧告だ!」などと、かなりすったもんだした問題であったため、このために、離職してしまったり、異動を余儀なくされたりした人々もいたわけで、パンデミック対応として、最後まで残されていた部分に区切りがつけられたことになります。
保健当局 (HAS) は、医療専門家の予防接種義務に関する最初の部分を構成する新しいレポートを発行し、 このテキストでは、引き続き、病院職員と医師がコロナウィルスの予防接種を受けることを強く推奨してはいますが、それ以外の人を除外する必要はないと記しています。
これにより、予防接種を受けていないスタッフは排除されないことになります。この医療従事者のワクチン接種義務解除の理由として、「新しい症例の数は明らかに減少しており、新しい亜種の病原性は低下していること」また、「医療従事者のワクチン接種率は非常に高く、これまでにすでに 95% 以上が少なくとも 2 回の注射を受けていること」を挙げています。
また、現状では、「ワクチンの入手可能性はの十分に満足のいくものであり, これにより, 流行が再燃した場合に迅速に対応することが可能であるため」としています。
これでヤレヤレ、どうやら終息かというと、一部の感染症専門家のあいだでは、「フランスは現在、小さい波ではあるが、第10波を迎えているため、これを過小評価するべきではない!」と警鐘をならしている人々も存在します。
たしかに、ここ数週間でフランスの感染者数は脈々と増加傾向にあり、1日の新規感染者も一時は2,000人~3,000人くらいまで下がっていたものが、ここのところ1万人近い数字にまで上昇しており、1日あたり400人程度の人がコロナウィルスのために入院し続けています。
身近なところでも、久しぶりに連絡をとったフランス人の知人が「なんだかちょっと最近、具合悪くて・・」と言うので、すっかりコロナウィルスを疑わなくなっている私は、「インフルエンザ?」と言ったら、彼は「プチ・コヴィット(プチコロナ)」だと言うので、「え~~ワクチンもしてるし、前に1回、かかってるよね!季節がら花粉症かもよ?」と言ったら、彼は頑なに「いやいや、絶対、プチ・コヴィットだ・・だって、味覚がなくなっちゃったもの・・」と。
それでも、彼は検査に行くこともなく、ひたすら、ドリプラン(パラセタモール・鎮痛解熱剤)を飲んで症状が消えるのを待っているのでした。
こういう人もきっとけっこういるわけで、検査をしなければ、感染者としてカウントされていないわけで、実際の感染者はもっと多いのではないかとも思うのです。
先日、かかりつけのお医者さんにいつもの処方箋をもらいに行っていた時も他の患者さんから、どうやら家族揃って、コロナウィルスに感染したという電話がかかってきていて、身近なところでも、なんかちょいヤバな感じがしています。
パンデミックが始まった当初はヨーロッパの国々はイタリアにしても、スペインにしても、ドイツにしても、足並みそろえて悲惨な状況だったのに、今回の第10波はフランスだけが、飛びぬけている状態です。
この寂しい?状況はなぜなのだろうか?とちょっと不思議な感じもするのですが、考えてみれば、これだけ毎日のように大規模なデモが起こっていて、群衆が集まって、あれだけ大声をあげて騒いでいれば、そりゃ~そうかな?とも思い、この年金改革問題の2次災害かもしれないとも思います。
とりあえず、自分にできることは、マスクはいつでも携帯し、メトロの中など人が多くて距離が取れない場所では一応、マスクはしておくとか、こまめに手を洗うとか、そんな基本的なことは続けておこうと思うのでした。
医療従事者ワクチン接種義務解除 フランスコロナウィルス第10波
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