2023年4月5日水曜日

マルセイユ麻薬密売組織による銃撃事件で一晩で3名死亡

  


 日曜日の夜にマルセイユで一晩に3名死亡、12名が負傷する銃撃事件が起こり、世間を震撼とさせています。しかも、標的になったのは14歳、15歳、16歳の未成年だというのですから、さらに驚きです。

 実は前日の土曜日の夜にも銃撃事件は起こっており、20代の男性4人が負傷し、警察は通報を受けて、現場にかけつけていますが、翌日の銃撃事件では死亡者が出たために、大きく報道され、前日の事件も併せて公になったと思われます。

 日曜日の夜(日曜日から月曜日にかけての夜)、午前0時20分頃、3人のティーンエイジャーが銃撃され、そのうち1名(16歳)は現場で死亡、他2名(14歳と15歳)のティーンエイジャーは重体で入院、他21歳と23歳の男性が死亡しています。

 この銃撃事件は麻薬密売組織の縄張り争いだそうで、麻薬密売組織の縄張り争いでなぜ?14歳・15歳・16歳の少年が撃たれて死ななければならないのか?標的にされるということは、この年齢で麻薬の密売にかかわっていたということで、麻薬やドラッグの取り引きにこんな年齢の子供が加わっている現状には、ちょっとため息も出ない感じがします。

 たしか、2年前にも同様の事件がマルセイユで起こっており、その時に事件を受けてマルセイユ市長が発表した声明の中に、「マルセイユではパン・オ・ショコラを買うようにカラシニコフを買うことができる。この現実はなんとしても止めなけらばならない・・」という部分があって、衝撃を受けたことを記憶していますが、残念ながら、その状況は改善されていないようです。

 麻薬密売組織=銃器などの武器を確保という図式は定番というか、もうセットになってしまっているのが現状のようで、麻薬密売組織の拠点を追跡すると麻薬やドラッグだけでなく、銃などの武器が押収されるという図式になっているようで、武装してまで守りたい縄張り争いとは、恐ろしいことです。

 フランスは欧州一の麻薬消費国と言われていますが、彼らにとっては最高のマーケットとなってしまっている現状をフランスはなんとかしなければなりません。

 この事件を受けて、内務相ジェラルド・ダルマナンは秩序維持に特化した部隊である CRS 8 の派遣を発表しています。

 内務省によって 2021 年に創設された CRS 8 は、都市内暴力などの公共秩序の乱れの状況に対応するために特別に訓練された 200 人の男性で構成されるエリート部隊であり、このユニットの目的は、「公の秩序と都市の暴力の深刻な混乱が発生した場合に、半径300キロメートル以内に15分で配備される」ことであるとされています。

 具体的には、CRS 8 は麻薬密売に関連する暴力の影響を最も受けている地域を占拠し、密売人を妨害し、隠蔽されている薬物や武器を探すことで、この部隊は、マルセイユの 14 区にあるラ パテルネル市で 2 月にすでに配備されていたとのことですが、この現状からは、何か起こってからではなく、彼らは常駐してもらう必要がありそうです。

 それにしても、14歳~16歳という年齢の子供までもが、麻薬売買にかかわっているというのは、そんな子供がこんな深夜に出かけることだけでも、保護者は何とも思っていないのかと理解に苦しみます。

 しかし、死亡した子供の両親が現場近くにいたという目撃証言もあるため、家族ぐるみで麻薬売買にかかわっていたという疑いも持たれています。

 その後の捜査の過程で、犯人が現場に移動した際に使用した車両と思われる車両が燃やされた状態で発見されたと検察のプレスリリースでは発表されており、どうにも激しいこの事件は、組織化されたギャングの犯行によるものと見られています。

 麻薬密売組織は市場シェアを維持、拡大するために犯罪を犯すことをためらわない人身売買業者、他の若者を殺害するために若者を勧誘することを躊躇しない人身売買業者と結びついていると見られており、マルセイユでは、薬物密売という 1 つの原因による悲劇的なサイクルが続いているようです。

 2022年には、麻薬関連の銃撃事件で32人が死亡、33人が負傷していますが、2023年に入ってからは、わずか 3 か月で 14 人が死亡し、43 人が負傷という急激な増加の気配が顕著に表れています。


マルセイユ銃撃事件


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