加齢につれて、例にもれず、私もお医者さんにかかる機会が増えている残念な現実ですが、フランスの場合は、お医者さんと検査機関、薬の処方と全て分業体制なので、ちょっと風邪をひいたり、簡単な疾病の場合は、かかりつけのお医者さんで済むので、薬の処方箋を書いてもらって、薬局に薬を取りに行く程度のことで、大した手間ではないのですが(それでさえ、慣れるまでは面倒くさいな・・と思いましたが・・)、もう少し、厄介な病気の場合は、まずは医者に行ってから、必要な検査の処方箋を書いてもらって、それから、それぞれの検査機関に検査をしに行って、そのうえで、検査結果を持って、専門の医者にかかるということになるので、とても1日で済む話ではありません。
私の場合は、持病のために飲んでいる薬の処方箋を書いてもらうために、定期的にかかりつけのお医者さんにはかかっているのですが、その他には怪我をした場合など以外は、あまり検査にも行かないし、専門医にかかることもありません。
私は心臓疾患があり(そんなに深刻な状態ではありませんが・・今のところは・・)、これまでに心臓専門医には数回、行ったことがありましたが、かかりつけの主治医に、しばらく心臓専門医にかかってないから、チェックしてもらいに行った方がいいと言われて、そのためのいくつかの検査の処方箋を書いてもらっていました。
まずは血液検査ですが、しばらく行かない間にこれまで通っていた?検査施設が閉鎖になっており、別の場所へ行くと、これがもう、こんなに健康に問題のある人がいるのか?と思うくらいに大混雑、それでも血液検査の場合は予約なしに当日受付で検査をしてくれるので、健康保険のカードを渡して、ミューチュエルの書類などを提出して受付すれば、少々、待たされるものの、その日のうちに検査してくれて、結果はその日のうちにネットで送ってくれるので、まだマシなのですが、これが別の検査となると、話はまた別で、レントゲンを撮ってくるように言われていたので、また別の場所に検査に行くと、これには予約が必要で、しかも1ヶ月くらい先になるとのことで、絶句しましたが、仕方ありません。
最後に心臓専門医に予約を取ろうと電話したら、これがなんと約3ヶ月後になるとのことで、もしも私の病状が深刻だったりする場合は、手遅れになるだろうと思います。
そうでなければ、もう定期的にあらかじめ予約を取っておくしかないのですが、そこまで医者に通いたくもありません。
フランスでは、医者不足が問題になっていて、特に若い世代の医者が充分に増えていかないことから、数年後には、フランスの医者の25%は60歳以上になり、遠くない未来には、医者の数が一気に減少する状態になることから、「医者に定年後も働いてもらうためのシステム」が国会でも審議されていたりして、話には聞いていましたが、いざ、こうして自分が検査に行ったり、専門医にかかろうとしたりすると、本当にこの医者不足の現実を身に染みて感じることになります。
私自身は、フランスの病院に入院したりするほど本格的にお世話になったことはないのですが、夫が入院した時のことや、友人が入院・手術した時のことなどを見ていると、どうにも、できれば避けたいと思うような現状でもあります。
インフレによる消費者の買い控えなどから、経営危機を迎えて閉店してしまうお店も相次ぐなか、どんなに浪費を控えようとも、健康維持のための医療を控えることはできないようで、病院・検査機関はこんなにも混雑していることが、なんとなく悲しく感じられます。
私自身は、両親もすでに他界し、夫にも先立たれ、娘ももう社会人として自立したので、いつ死んでもいいと思ってはいるものの、生きている間はできるだけ快適に過ごしたいために医者にかかっているのですが、これがもし、差し迫った病気で余命数ヶ月・・とかになった場合は、もう完全にアウトです。
まあ、それも運命と受け入れるしか仕方ありませんが、来月、もう一つの検査を受けて、再来月に心臓専門医にかかるという、実際に医者にかかるころには受けていた検査結果とはまた身体の状態も変化しているかもしれない妙な診察になるわけです。
今後、おそらく劇的にこの医療体制が改善されることはあり得ないことで、むしろ悪くなっていくに違いないのは、これからますます医者にかかることが増えるであろう私にとっては、心もとない状況なのです。
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