もうずいぶん前の話になりますが、日本の電車では、痴漢に遭ったことがありました。日本で通勤していた頃の話で、あの日本のギューギュー詰めの満員電車の中では、身をかわすのも大変で非常に嫌な思いをした覚えがあります。
それに比べれば、パリのメトロで日本ほどの満員電車というのは、非常時(ストライキで間引き運転になったりしている時など)を除いて、経験したことがなく、きっとパリのメトロには、そんなに痴漢行為に及ぶ人はいないんじゃないかな?と勝手に思っていました。
それほどギューギュー詰めに混んでいるわけでもなかったら、周知される可能性も高く、痴漢行為に及ぶ側もハードルが高いわけで、また、こちらの女性は、黙って我慢しているとも思えないし、周囲の人々も気付いたら、黙っていなさそうです。
それでもなお、痴漢行為に及ぶ場合は、もっと暴力的になってしまうのではないかという気がして、さらに恐ろしい気もしていました。
それが、最近、たまに耳にする痴漢の被害者は未成年、しかも12歳~13歳とかの少女に対しての痴漢行為で、つい最近も被害者の母親の訴えにより、犯人が捕まったと聞いて、また、さらに、その逮捕後の措置などを聞いて驚いているところです。
パリの地下鉄内で太もも、臀部、胸を触られたという被害者の母親の訴えにより、容疑者(55歳男性)がパリ北駅で逮捕されたのまでは、よかったのですが、一度、容疑者は警察に拘留されたものの、その後、精神状態に障害がある(状況の認識ができない)として、病院に収容され、数日間の入院後、容疑者の精神状態を考慮して、パリ検察庁はそれ以上の措置を講じることなく事件を終結させたと伝えられています。
つまり、あっさり釈放です。
ところが、この容疑者、数日の間に再犯を繰り返していたようで、彼が逮捕されたのは、少なくとも3回目の犯行だったようです。
にもかかわらず、精神障害のために、再び彼は罪を逃れ、野に放たれてしまっているわけです。性犯罪者というものは、とかく再犯率が高いと言われていますが、特に彼のような場合、再び、犯行に及ぶであろうことは、ほぼ確実で、なぜ捕まえてくれないのか?と思います。
大人の女性ではなく、12歳の少女であったからこそ、その場で声をあげられなかったということも十分に考えられることで、彼女にとっては、恐ろしいトラウマになってしまった可能性も考えられます。
以前、買い物中に万引き集団の逮捕劇に遭遇したことがあり、抵抗する容疑者たちとのけっこうな捕り物長の末、警察は仰々しく、後ろ手に手錠をかけたりして、逮捕していたのですが、「この人たち、どうなるの?」と警察官に聞いたら、「調書をとったら、家に帰す・・」と言われて、目を丸くしたら、「それ以上、どうしてほしいの?」と聞かれて逆にもっと驚いたことがありました。
痴漢行為が軽犯罪かどうかはわかりませんが、とかく軽犯罪に関しては、一旦、逮捕するとはいえ、意外と簡単に釈放してしまうフランス。再犯確実な容疑者たちが街に容易に戻されている事実がパリの犯罪の多さに加担していることもあるかもしれません。
犯罪が多すぎて、犯罪者の面倒を見きれない・・のかもしれませんが、みすみす再犯が確実視される相手をなんだかんだと理由をつけては野放しにしてしまうのには、勘弁してもらいたいなと思うのです。
しかし、この男の55歳という年齢と相手が12歳の少女という気味悪さ・・そういえば、つい最近、「12歳の娘を70歳の老人に売る親」の話が話題になったばかり、変質者のターゲットは、低年齢化しているのでしょうか?
12歳を襲うパリのメトロの痴漢
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