日曜日の午後、パリ・サンラザール駅にあるマクドナルドで男がオレンジ色の液体を撒いて逃走するという事件が起こりました。
この液体が撒かれて、数秒のうちに、周囲にいた約30名ほどが喉に刺激を感じたり、気分が悪くなったりして、症状を訴え、そのうち10名ほどは比較的緊急事態に陥り、かけつけた救急隊は、緊急に警備境界を設け、あたりは騒然となりました。
このオレンジ色の液体は、後の捜査により、ペッパー爆弾の中身と一致するものであったそうで、これが、故意に撒かれたものか、ハプニングにより、こぼれたものかどうかは、明らかにされてはいませんが、明らかにふつうは所持しないものであるうえに、この男は、この液体を撒いて(こぼして?)すぐにその場から逃走し、駅からカーン(カルバドス)行きの列車に乗る直前にこの液体の入ったボトルを捨てているために、故意に撒いたものであったと見られています。
この液体は、化学薬品のようなもので、憲兵隊はNRBCプロトコル(核、放射能、生物化学兵器対応)の措置をとっています。このNRBCプロトコルなどというものも、これまで知らずにいましたが、これは、陸軍保健局 (SSA)が主導するアクションのひとつのようです。
まさしく、謎の液体散布、刺激臭、喉の痛み・・などという事態が起こったら、あわや、「毒ガス?」、「サリン?」などと、昔のオウム事件を思い出しますが、無色透明なサリンと違ってオレンジ色という色があってわかりやすいだけ、まだマシなのかとも思いますが、本当に恐ろしいことです。
この男の様子は、監視カメラが捉えており、ブルーのダウンジャケットを着たこの男がこの液体を撒く様子やその後になに食わぬ顔で、スーツケースを転がしながら、カーン(カルバドス)行きの列車に乗り込む様子、また、列車に乗り込む直前にこの液体の入っていたボトルを投機している様子も記録されており、このボトルもすぐに回収されると同時に、男はカーン駅に到着すると同時に逮捕されたということです。
この男については、それ以上、詳しい情報がありませんが、この犯行が単独のものであったか? 組織的なものであったかどうかは、確認されていません。
結果的には、致命的な被害には、至っておらず、この男の目的が何であったか?はわかりませんが、組織的な犯行であったとすれば、これは、本番前の実験段階的なものであったことも考えられるため、油断できない感じもあります。
いずれにせよ、被害が小さかったとはいえ、テロ行為には違いなく、いわゆる銃やナイフや身体的暴力などの目に見えてわかりやすく暴力的なテロとは違う化学薬品でのテロ行為・・今までパリではあまり聞いたことがありませんでした。
これから、年末にかけて、人の往来が激しくなる駅などを狙っているところは、そのうえマクドナルドという年齢層の広そうなお店を選んでいるあたり、明らかに無差別テロのようで、たちが悪いような気がします。
サンラザール駅 マクドナルド化学薬品散布事件
<関連記事>
「シャルリー・エブド元本社前でのテロ事件でパリ11区、俄かロックダウン」
「閑静な住宅街で起きた路上で首を掻き切られる陰惨なテロ事件発生 18歳のテロリスト」
「ロックダウン前日 大荒れのフランス ロックダウン・テロ・デモの全てが一日に起こった日」
「パリ10区クルド文化センター襲撃テロに抗議するデモの暴徒化 車が燃えるクリスマスイブ」
0 コメント:
コメントを投稿