2024年11月1日金曜日

パリ中心部に交通制限ゾーン(ZTL)が設置

  


 パリ警察長官は、パリ中心部に交通制限区域(ZTL)を設置し、1区、2区、3区、4区の車両通行を禁止する命令に署名しました。この措置は、11月4日から開始されます。

 これは、車で占拠されている公共空間を解放し、首都中心部の大気汚染と騒音を軽減することが目的で、パリ市長アンヌ・イダルゴ氏の選挙公約でもありました。

 現在、パリ中心部のこのゾーン内を循環する車両の数は、1日あたり35万台から55万台(ずいぶん幅があるな・・)と言われており、この交通量のかなりの部分はそこで停まることなくこの地域を通過する車両であるといわています。

 この車両通行禁止は、もちろんバス、タクシー、VTC車両は除外されるほか、この地域の住民、従業員、配達員、患者、店舗、企業、レストラン、劇場、映画館などの顧客も除外されます。つまり、この地域を通過するだけの車が排除されるということで、この地域を通過していた車両は、この中心部を避けてぐるっと遠回りをしなければならないことになります。

 また、1区、2区、3区、4区の中でも高台の岸壁、サンルイ島、シテ島はこの交通制限区域から除外されています。

 しかし、そもそもパリ市内を車で移動することは、渋滞や駐車スペースなどを考えても、どう考えても、合理的ではなく、私などはもうとうの昔にあきらめていますが、これで少しでも車が減ってくれることはありがたいことだと思っています。

 このシステムは少なくとも3か月(あるいは6か月)の予備的準備期間を経た後、このZTLから「出る」際には電動車両のチェックが強化される見込みになっています。

 将来的には、在留カードと自己申告制度がオンラインで導入され、同時にカメラによるナンバープレートの読み取りに基づいて違反をチェックする予定だそうですが、この自動カメラ撮影による制裁を可能にする規制と法律の変更が現段階では整っておらず、法律改正を待つ間は、一体、1日50万台以上と言われる車両通行のチェックをどうやって行うのかは、かなり厳しい話ではないかと思っています。

 とはいえ、これに違反した場合は、罰金135ユーロが課せられるということです。

 この類の通行禁止は、パリオリンピック開会式前の状況を彷彿とさせる感じがありますが、あの時は、パリ中がものすごい警戒体制で、警察官や憲兵隊がMAXで出動しており、そもそも、あの厄介な通行制限や行動制限にウンザリして、多くのパリジャンがパリを脱出していて、パリはガラガラになりました。

 今度は、車両通行のみの制限で、日常的、恒久的に続けられるものであり、そのために膨大な数の警察官を配置というわけにもいかないだろうし、しかも多くの例外があり、一体、どの程度、みんなが遵守するのかと思いますが、成り行きを見守りたいと思います。

 しかし、様々な取り組みにどの程度の成果があがるものなのかはわかりませんが、色々と問題点をあぶり出して実行していくのには、エネルギーを感じます。

 

パリ中心部に交通制限ゾーン(ZTL)


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