2021年10月28日木曜日

パリで見つけた美味しいお蕎麦屋さん あぶりそば Abri Aoba

  

フランス産の鴨の鴨南蛮そば フランス人は鴨が大好き

 

 お寿司、ラーメン、うどん・・今やパリで和食のお店は珍しくなくなりましたが、そんな中でもあまり見かけないのがお蕎麦屋さんです。

 私はお蕎麦が大好きで、日本で仕事をしていた頃は、お昼というと週2〜3回はお蕎麦というオヤジのような生活をしていました。

 パリに来てからは、そもそもお蕎麦屋さんには全く期待をしておらず、ずいぶん前にサンジェルマン・デ・プレの方にお蕎麦屋さんができたという話を聞いたのですが、あまりの高価さに覗いてみる気にもならず、パリでお蕎麦といえば、家で乾麺を茹でて食べるというくらいでした。

 しかし、先日、「何か美味しいものは・・・」と探していたら、パリにもいつの間にかあったではありませんか? なんと、ミシュランのビブ・グルマン(Bib Gourmand Michelin)(ミシュラン星付きレストランほど高価ではなく、比較的お手頃価格の厳選されたお店)に載っているお蕎麦屋さんが・・。

 これは行かないわけにはいかない・・とさっそく、行ってきました!

 それは、こじんまりとした、さほど目立たない外観でお店の看板も出さずに(看板は敢えて出さないという方針らしい)やっているAbri Soba(炙りそば)という名前のお店で、行列を避けて、なんとか昼1時前には・・と思っていたにもかかわらず、すでに少し行列ができていたことでそのお店だとわかったほど、目立たずに営業しているお店でした。

  

目立たず、看板もなく、ちょっと見には何のお店かわからない外観

 店内に入るとすぐに目に飛び込んでくる、吊るされたワイングラスやその上下にずらっと並んだ日本酒やワインの酒瓶が酒飲みの目にはことさら嬉しく、一見すると、バー?飲み屋さん?と思われる店内です。

 

これだけ見たら、とてもお蕎麦屋さんには見えない


 店内はテーブル席30席ほどとカウンター席が6席で、満席。お店の規模のわりには店員さんは8人もいて、スタッフは全て日本人、お客は私たち以外は全てフランス人という珍しい光景です。

 ここでは、ナイフやフォークは提供していないのか?お客さんたちは、器用にお箸を使っていましたが、中には上品そうなマダムがまるでナゲットかフライドチキンのように、天ぷらを手で摘みながら、お蕎麦を食べている様子なども見られてそれはそれで、微笑ましい感じです。

 

一見、日本か?と思うような座席、座席の下には荷物を入れるカゴまで!


 入り口の扉から内装まで、全て木目調で揃えられ、店内のあちこちに見える細かい装飾品も味のある日本のもので飾られています。


可愛らしい日本の小物とともにフランスのレストランには珍しい黒七味


 さすがに日本人だけのスタッフのサービスは、フランスではあまり見られないサービスが隅々まで行き届いており、お店の人の対応にはいちいち、さすが・・日本人・・と嬉しくなります。

 昼のメニューはそれほど種類は多くありませんが、どちらにせよ、そんなに食べられるわけでないので、充分です。

 お蕎麦には、冷たいお蕎麦と暖かいお蕎麦があり、ざるそば、おろしそば、きつね、ごまだれ、天ぷら、月見、山菜、鴨などがあります。お値段は9ユーロ(約1,200円程度)(ざるそば)から17ユーロ(約2,200円程度)(天ぷらそば)の間なので、パリでの外食としては、このクォリティでこのお値段はすごく納得のいく価格です。

 それぞれのお蕎麦には、プラス6ユーロでサラダ、ご飯(炊き込みご飯(ひじきや枝豆などが入っている)かマグロとサーモンの巻き寿司が2個)の他に、唐揚げか野菜餃子、日替わりのお惣菜のいずれかのを選ぶことができます。

 

お昼のメニュー

 お蕎麦以外には、鶏の唐揚げ、とんかつ、鮭の西京焼きのお弁当(定食)があり、ご飯、お味噌汁、漬物、野菜餃子がついてきます。

 寒くなってきたので、暖かいお蕎麦が食べたくて、天ぷらそばと鴨南蛮そばを頼んだのですが、天ぷらは別盛りでカラッと揚がったサクサクの天ぷらが楽しめます。

 お蕎麦はお店で作っている特製のお蕎麦で、比較的細めの麺は滑らかで、舌触りも良く、久しぶりのお蕎麦に舌鼓をうちました。


天ぷらそば 天ぷらは海老2本とエリンギとナス

 大きなぷりぷりの海老の天ぷらも、鴨の脂がじわっとつゆに染み出している鴨南蛮にも大満足、お蕎麦に載せられている刻みネギの細かさと小さな三つ葉にまで感動しました。強いていうならば、おつゆは若干、甘めです。


 


 プラス6ユーロでついてきた、巻き寿司は赤酢の酢飯で巻かれており、サラダには水菜、大根のつまなどが合わされ、鰹節と醤油ベースのドレッシング、唐揚げには甘だれがうっすらとかかっており、唐揚げに添えられたサラダには胡麻ダレがかかっています。

 その一つ一つの小さな小皿にも細かい心遣いが感じられ、丁寧に作られていることがわかります。

 その上、どんなものかわからず、一人分しかプラス6ユーロのメニューにせずに二人で分けあって食べていたら、頼まずとも、唐揚げは二人分に切り分けてくれる心配り。

 

お水を入れてきてくれるボトルも可愛い

 お水一つをとってもなくなったら、すぐに次のボトルを持ってきてくれました。(日本ならあたりまえのことですが、フランスでは決してあたりまえではありません)

 こんな感じのお店なので、夜になると、メニューも増えて、ちょっとつまみながら飲める居酒屋さんのようになり、大賑わいになるようです。

 このお店で出てくるものなら、際限なく飲めそうだと思いながら、次回はぜひ、夜に来たいものだと思ったのでした。


⭐️Abri Soba Paris あぶりそば パリ

10 Rue Saulnier 75009 Paris  月曜休 12:00~14:00, 19:00~22:30 日曜夜のみ

メトロ⑦番線 Cadetより徒歩3分、⑧⑨番線 Grand Boulevardsより徒歩7分


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