2021年10月5日火曜日

47の地域圏の小学校でマスク着用義務撤廃

   

グリーンの地域での小学校ではマスクの義務化が撤廃された



 10月4日(月)から、感染発生率が少なくとも5日間で住民10万人あたり50例未満である47地域の小学校でマスク着用の義務が撤廃され始めました。このまだワクチン接種が不可能な年代の子供たちの学級内でのマスク義務化の撤廃には、懸念の声も上がっていましたが、子供たちの学習、理解、集中力に影響を与える可能性、マスクによる苦痛を考慮し、感染の状況が許す限り、小学生からマスク義務を撤廃した模様です。

 しかし、マスク義務化の撤廃は小学生のみで、小学校の職員、教員、また、中学校、高校に関しては、マスクの義務化は継続しています。

 9月の学校再開と同時に学校内での唾液検査が行われたことにより、これまでに3,300学級が一定期間閉鎖されていますが、小学生のマスク義務化の撤廃により、今後はこれまでの20倍の唾液テストの強化が必要だと言われています。

 この小学校でのマスク義務化の撤廃により、大人も勤務先でのマスク義務化撤廃を望む声が高まり始めています。近々の世論調査によるとフランス人の74%は職場でのマスク義務化の撤廃を希望しています。これは、職場でのヘルスパス提示が義務化されている以上、マスクは必要ないではないか?という意見です。

 もともとマスクが大嫌いなフランス人にとって、ワクチン接種の拡大と感染率の低下によりほぼ取り戻し始めた日常で、次に取り戻したいのは、マスクなしの日常なのは、大いに理解できることです。

 しかし、現段階でも、すでに、政府のサイトによると、従業員が一人でオフィスにいる時、また、部屋が充分に換気されているか、2メートル以上の間隔をとることができる場合は、マスクを着用する必要はない」としており、かなり緩くはなっています。

 一方、労働省は、会社の従業員の安全を確保するための国家議定書で、「雇用主は、従業員のリスクを軽減するために必要な全ての組織的措置を講じなければならない」と規定しているため、これを尊重できなければ、雇用者側に対する罰金・罰則対象となるため、各々の企業による判断とはいえ、現在のところは、企業側は慎重な態度をとっています。

 しかし、街中の様子を見ていると、メトロやバスなどの公共交通機関でのマスク着用率は、ほぼ100%に近いものの、外を歩く人々のマスク着用率は激減しており、このマスク着用義務の境界線はどこにあるのかと疑問に感じるほどです。

 けれど、実際に、感染減少傾向にある現在の状況は、ワクチン接種の拡大や、ヘルスパスによる入場制限や一定の施設内でのマスク義務化などの衛生措置の上に成り立っている結果であることは明白です。

 決して、感染が終息してはいない状況での様々な制限の撤廃は、いったいどの制限から撤廃しても良いのか?将棋くずしかジェンガをやっているのと同じような状態で、もしも撤廃してはいけなかった制限を撤廃してしまえば、ガラガラと崩れてしまう依然として危険な状況にあることに違いありません。

 ただでさえ、日常からこまめに手を洗ったり、うがいをしたりする習慣のない日本人の私からすれば衛生観念に欠けたフランス人には、マスクぐらい、まだしばらくは我慢して欲しいと思ってしまいます。

 かなりの強硬手段と思われたフランスのヘルスパスの適用は、一部で大きな反発を呼びましたが、結果が伴ってきたことから(感染の減少)、今ではすっかり日常化し、むしろ、ヘルスパスによって、安心して、外食や娯楽が楽しめるようになり、ずっと続いているデモもかなり動員数も減り、定着しています。

 政府はこのヘルスパスを2022年の夏まで延長する方針を発表していますが、今度は、「ヘルスパスがあるなら、マスクの義務化を撤廃しろ!」という声が上がり始めているのです。

 小学校でのマスク義務化撤廃を機に上がり始めた「職場内でのマスク義務化撤廃」を求める声・・ヘルスパス反対デモの次は、職場でのマスク義務化撤廃デモに変わるかもしれません。


小学校マスク義務化撤廃


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