1920年にモーリス・ド・ワレフによって「フランスで最も美しい女性」というタイトルで始まった「ミスフランス」は、世界で最も歴史のある美を競うコンテストの一つです。
1987年からは、この決勝戦の模様がテレビで生放送されており、芸術、スポーツ、メディアのパーソナリティで構成される審査員の投票によって、優勝者が選出され、この者には、その年の「ミスフランス」のタイトルが付けられます。
ミスフランスの候補者は、まずフランス本土と海外の地域の代表に選ばれる必要があります。この中からさらに、スタイル、シルエット、スピーチ、行動、および一般的な文化的な教養についてのテストなどに従って、参加している地域のミスの中から15人のミスを事前に選択します。
その他、審査基準には、相当数の項目があります。
まず、フランス国籍であること。その年の11月1日の時点で18歳から24歳であること。独身であること(結婚歴がないこと)。身長170㎝以上であること。犯罪歴のないこと。整形手術をしていないこと。
また、NG事項は、その他にも、刺青、公の場での喫煙行為、宗教的な宣伝性などなど、詳細にわたっています。
今回のミスフランス選出にあたって、主催者の要求する基準を満たしていないために大会への参加を諦めなければならなかったと主張する3人の女性が、フェミニスト団体とともに、ミスフランス運営会社と番組制作会社を提訴しました。
彼女(彼)らの申し出によれば、「美しさを代表する」ためのミスフランス選考の募集基準は差別的であり、フェミニスト団体によれば、この性差別的なコンクールは労働法に違反しており、この番組のプログラムは、「労働者の権利を無視しながら、女性を使って儲けようとするものである」と主張しています。
このフェミニスト団体は、あえて私たちがフェミニストであるかどうかではなく、女性の権利を行使することを求め、具体的に「公の場での喫煙を禁止したり、目立つ刺青やピアスの着用についてのこれらの差別的な条項を規則から削除すること」などを求めています。
しかし、今回の争点はコンテスト開催者・番組製作者とコンテスト参加者の間に雇用契約に関してと、これに労働法が適用されるものであるかどうかというところにあります。
そもそもコンテストという誰かを選出する場面で、選考基準は必要不可欠のものであると思われますが、提訴している側からの言い分では、その基準は、現代社会の基準には即しておらず、その栄誉を勝ち取る機会を公平に与えられていないというものです。
「コンテストへの参加は仕事の提供につながり、差別条項が含まれたミスフランスによって課された規制による、このポストへの応募の可否は雇用における差別に相当する」と言っているのです。
一方、コンテスト開催側は、「これはコンテストであり、労働法に準拠するものではなく、一種のゲームでもあり、それに規則は存在する」と反論しています。
多くの国民が一種のお祭りのように楽しんで見ているこの「ミスフランス」にでさえも、またまた登場するフランス人お得意の「権利の主張」。
訴訟問題とは縁遠い感のあるこの催しに水をさされた感は否めませんが、この問題浮上で今年の「ミスフランス」は例年以上に注目される結果となりそうです。
今年のミスフランスのコンテストは12月11日に開催される予定です。
ミスフランス
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