薬局というものは、一般の商店とは少々異なり、ストライキをしたりすることは、珍しいことです。
逆に、このバカンス期間で多くの商店がこの期間、お休みしていても、薬局は夏休みの間も変わらず営業していることが多いです。
しかし、今回は、薬局がデモ・ストライキ。これも夏のバカンス期間には、一般的なストライキは、ちゃっかり行わずに夏休み明け早々にストライキ・・というのがふつうなのですが、このバカンス期間に多くの薬局が閉店・つまりストライキを行いました。
これは、政府が発表した「ジェネリック医薬品割引削減」の発表を受けてのことで、政府は8月6日付官報に「ジェネリック医薬品の値引き上限を9月までに現在の40%から30%に引き下げる決定」を発表したためです。
また、これは、長期的な計画の経過地点で2027年までには、20%に引き下げる予定としています。
現在のジェネリック医薬品の値引き額は薬局の年間利益の約半分に相当するものです。
フランスでは販売される医薬品の3分の2がジェネリック医薬品です。製薬会社が提供する値引きは薬剤師側の報酬の一部となっています。それを減額されてしまうのですから、怒るのもわからないでもありませんが、どこも不景気な風が吹いている薬局界隈では、これは、地域薬局の存続を脅かすものである!と怒り心頭なのです。
しかし、超多額の負債を抱える政府としては、赤字を抱えている医療保険部門の費用を削減しようとするのは、これまた当然の話。
正直、私などは、自慢じゃないが、薬局の大変なお得意様で、毎月、山ほどの薬を処方してもらっています。しかし、全て保険でカバーしてくれるので、実際に私が薬局でお金を支払うことはありません。
しかし、たまに、処方された薬が品切れで注文して後から追加分を取りに行った利する場合には、自分で料金は支払わなくとも、受領証に値段が記載されていて、「この薬、こんなに高い薬だったんだ!!」と驚くこともあります。
この製薬会社からの割引と薬局の利益の関係については、よくわかりませんが、逆に考えれば、薬局というものは、医者が処方したとおりの薬をまるで横流しのように売っていくのですから、ずいぶんとちょろい商売だな・・と思ったこともあります。
実際にお店のレイアウトなどは、実に魅力に欠ける陳列の仕方だったり、同じ商品が横並びに場所をとっていて、「日本の薬局見て勉強してこいよ!」と言いたくなります。
考えてみれば、薬局というのは、これだけ色々なものがどんどんその企業形態などを変えていく中、まことに前時代的なままフランスに存在しているもののひとつかもしれません。
しかし、だからといって、一般的な商店とはまた、少々立ち位置が違うのも事実。この薬局のジェネリック医薬品割引問題。政府は9月までに・・と言っているから、この時期にもかかわらず薬局はストライキをしているのでしょうが、さて、9月までに折り合いがつくのでしょうか?
ジェネリック医薬品の割引削減
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