フランス政府は2024年から薬の服薬指導の紙を廃止し、QRコードに置き換えることを目的とした試みを開始することを発表しました。
2024年はひとまず、一部の薬の箱に、このためのQRコードが付加される予定で、長期的には、この薬の箱の中に入っている服薬指導の紙の廃止を検討する予定です。
私がフランスに来たばかりのころ、フランス人はやたらと薬(ヤバい薬というわけではない)に頼りたがり、また、医者も気安くやたらと薬を処方するような気がする・・と思いました。
そして、医者の処方箋をもらって薬を出してもらう薬も全て箱入りの薬で、やたらかさばる感じがした覚えがあります。それは今もあまり変わりません。
現在、私は3か月ごとにかかりつけのお医者さんに通って処方箋を書いてもらって、薬をもらってきていますが、3ヶ月分の薬もそれぞれが箱入りとなるとなかなかこんもりとした量で、また、その箱の一つ一つには、まず読むことのない薬の服用指導の紙が入っており、この服用指導の紙に関しては、ほぼほぼ包み紙同様の扱いで、即刻、ゴミ箱へ直行してしまうもので、まず、読んだことがありません。
だいたい、紙に書いてあることは長すぎる上に細かい文字で読みにくく、ごくごくたまにその薬について、知りたいことがあったとしても、薬の名前でググって調べる方がラクなので、全く必要がありません。
私でさえも、こんな具合ですから、病院などでは、けっこうなゴミの量になるそうで、これは、なるほど、すごくいらないものだな・・と思います。
これまでにも、フランスでは、環境問題に関しては、レシートが廃止されたり(とはいっても、頼めば貰えますが・・)、紙の広告のチラシなどが大幅に削減されたり、ファストフードの店内飲食には再利用できる容器が使われるようになったり、様々な試みが続いてきましたが、まだまだあるな・・削減できるもの・・と思います。
その一つ一つは、大した量ではなくとも、小さいこと(でもないけど)の積み重ねで、少しでも環境問題を改善していこうと国主導でどんどん動いていくことが、大切なのだなぁと思います。
それでも、やはり、QRコードの取り扱いに慣れていない一定の層はいるわけで、そういった人々に対する「薬剤師向けの紙の指示書の提供」など、さまざまな「解決策」が検討されているようです。
しかし、まあ、そうでなくとも、たいていの場合、薬局の人は聞けば薬についても、よく教えてくれるし、結構、おしゃべり好きな人が多い印象なので、難しい説明書を読むよりもずっとわかりやすいのではないか?とも思われます。
それに加えて、処方箋を出してもらう段階で、お医者さんに色々、聞くこともできるし、たとえQRコードがなくても、薬の名前でググれば、たいていは出てくるので、やっぱり、この紙は、ほとんど必要はありません。
むしろ、薬の名前+(たとえば)副作用などと調べれば、ピンポイントで知りたいことが出てくるので、その方が全然ラクでわかりやすいです。
いずれにしても、環境問題にせよ何にせよ、政府主導でどんどん対応していく感じが日本にはないフランスのよいところだな・・とも感じます。
薬の服薬指導QRコード
<関連記事>
「2023年1月1日からファストフードの使い捨て容器廃止へ」
「フランスの食品廃棄物救済アプリ Too Good To Go」
「フランス2022年1月から野菜や果物のプラスチック包装禁止」
「ゴミの捨て方に見るフランス人のモラル フランス人には、箱を潰して捨てようとか、そういう観念はない」
0 コメント:
コメントを投稿