2023年12月29日金曜日

真似したいおしゃれ

 


 クリスマス前後は、どこのレストランもスペシャル・ノエルとか、スペシャル・レヴェイヨンとか、特別メニューになっていたりして、その値段からしても、また、ちょっと食べすぎる日々が続いていることもあるので、外食からは、ちょっと足も遠のく感じもするなか、日本から帰ってきてから、全然、外食してないな・・ランチくらいはいいかな?と、たま~に行くフレンチのレストランに出かけた時のことです。

 一見、間口はふつうでも、中に入ってみると、かなり奥まって広いレストランというのは、パリにはよくあることで、そのレストランも、かなり歴史のあるレストランで、歴史を感じさせる建物の造りや、調度品などに包まれている空間が心地よく、また、応対をしてくれるウェイターなどのスタッフもとても感じよく、礼儀正しくて気に入っているお店です。

 昼ならば、たいてい予約もいらないので、気が向いた時に好きに行けるところも気に入っています。ランチのメニューだと、そんなに高すぎることもなく、お値段もほどほどです。

 それほど、フォーマルすぎず、かといって、それほどカジュアルすぎる感じでもなく、ちょうどいい感じが気に入っています。

 その日は、今まで、入ったことのない部屋に案内してくれて(上階、中階、地上階と入り組んで部屋がたくさんあります)、「ほ~っ!ここの部屋、初めてだ!」と部屋の調度品などを眺めながら、メニューを選び、私には、ちょうどアントレが運ばれてきて、「う~ん!やっぱり美味しい~」と舌つづみを打っていた頃、隣には、50代後半くらいの3人連れの男女が案内されてきました。

 それとなく、様子を見ていると、上品な感じの人たちで、それほど着飾っているという感じではないものの、上質な感じの生地のシンプルなセーターに、控え目だけど、要所を押さえているようなアクセサリーを身に着け方で、とってもいいな・・と思って、何気なく、様子をうかがっていました。

 しばらくして、彼らの注文を聞きに来たウェイトレスの女の子が、「フランス語を話しますか?」と彼らに聞いたので、「えっ?」とそばにいた私もちょっとびっくりしたのですが、彼らの一人が、ニッコリと、「私たちは、ホンモノのパリジャンですよ!」と返し、上手くニュアンスが伝わらないかもしれませんが、そのゆったりとした態度が余計に、なんだか、いいな・・ああいう大人・・と思ったのです。

 外国人観光客と間違えてしまった若いウェイトレスの女の子は恐縮して謝っていましたが、穏やかな空間が壊れることなく、逆に彼女にいたわりの言葉をかけていました。

 フォーマルに着飾るおしゃれより、こういう普段着での素敵なおしゃれができるのって、いいな・・そして、その言動や立ち振る舞いなども、その人の醸し出すおしゃれな雰囲気の一部でもあり、私もすでにいい歳ではありますが、こんな大人になりたいな・・こんな歳のとり方、こんなおしゃれができるようになりたいな・・と思いました。

 一方、同じレストランで、見かけたことがあるのですが、まるで、舞踏会にでも行くの?みたいに煌びやかに着飾って、やたらと写真を撮りまくって、豪華なメニューを注文してはしゃいでいたアジア人観光客らしきカップルをみかけたことがあったのですが、観光客で、なんとなくはしゃいでいる気持ちもわからないではないのですが、どう考えてもみっともないな・・と思ったことがありました。

 時と場合にもよりますが、あまり華美に着飾るのではなく、シンプルな服装でおしゃれができるようになりたいな・・と、最近の私は思っています。

 しかし、ここまで書いて思ったのですが、もしかして、おしゃれってもう死語ですか?


おしゃれ


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