2023年12月14日木曜日

12歳の少女が授業中に教師をナイフで襲う・・

  


 12歳の少女が授業中に教師をナイフで襲うという事件が起こり、騒然としています。この少女は、前の週にその教師と授業中に携帯電話を没収されたことで口論になった経過があり、この教師を殺す目的で、ナイフを持って登校していたと見られています。

 彼女は、2ヶ月ほど前にアラス(フランス北部オードフランス地域圏)で起こったことと同じこと(教師が刺殺された事件)をしたかったと語っており、ある程度、計画的な犯行であったと見られています。

 とはいえ、彼女は昨年度にも、教師に対する暴力事件で前の学校を退学になっていたという過去があり、今回もまた、同様の事件を起こし、教師に向かってナイフで切りつける前に「今回は、自分らしくありたい!」と叫んでから襲い掛かったということで、どう考えても、ふつうではありません。

 そもそも彼女が持ってきていたのは、刃渡り17センチのかなりしっかりしたナイフで、こんなものを学校に持ってくること自体、異常です。

 このナイフの話で思い出したのは、以前、娘がコロニー(スポーツなどのアクティビティーをするサマーキャンプのようなもの)に参加したときに、同室の女の子が突然ナイフを取り出したとかで、コロニーのディレクトリス(責任者)から、「おたくのお嬢さんが刺されそうになりました・・」と会社に電話があったことがあったのを思い出しました。

 今、思えば、ちょうど、同じ年ごろでした。

 その時は、他から話が伝わって大騒動にならないようにとディレクトリスが先手を打って、「そういうことがあったのですが、大丈夫ですから・・」という電話だったのですが、それこそ、そんな話を聞かされて、「あ~そうですか・・」で済むわけもなく、知人に頼んで、そのコロニーのオーガナイザーに連絡してもらい、厳重に監視してもらうように釘を刺したことがありました。

 「そもそも、コロニーにナイフを持ってくるなんて、ふつうじゃない!」と思ったことを思い出しました。

 無事に娘が帰ってきて、事情を聴くと、「同室の女の子の間で、1人、電気を消すか?とか、窓を閉めるか?とかいう、そんな些細なことで、いじけていた子でちょっとおかしな子だっただけで、大騒ぎすることじゃない・・」などと言っていましたが、カッとしてはずみで・・ということもあり得ないではありません。

 そもそも、ナイフを持ってきていること自体が異常です。

 普段、私立の学校に通っている娘にとっては、学校側が、問題のある子は、排除している環境の中で生活しているために、なかなかお目にかからないタイプで、「とにかく、世の中には色々な人がいるんだから、ちょっとおかしな子だと思ったら、刺激しないようにしないとダメだよ!」とキツく、言い含めたことを思い出しました。

 今回の事件を起こした少女は、「アラスと同じようにしたかった・・」と供述したことから、イスラム過激派であることも疑われてもいましたが、現在のところは、そのような背景にはないようで、両親はモンゴル人で彼女自身はマルセイユ生まれで、特別に特殊な環境で育っているわけではないと見られています。

 しかしながら、ナイフを持ち出すのも初めてのことではなく・・しかも、授業中に教師を殺そうとする・・とは、いくら腹立たしいことがあったとしても、どう考えてもふつうではないため、彼女には、精神鑑定が行われているということです。

 一度、ナイフを使用した暴力事件を起こした段階で、退学処分というだけで、また別の学校に転校させればよいという話ではなかったことは明白で、なんらかのケアが必用であったことは、言うまでもありません。

 とはいえ、今回の事件では、即、同教室にいた生徒たちも教師も避難したために、怪我人は出なかったそうですが、学校内での混乱は、計り知れません。

 フランスでは、よく、学校などで事件が起こったりすると、その後の精神的なケアをするユニットを学校内や地域に設置したというような話を聞きますが、その実、問題を起こした張本人のその後について、ある一定の期間は、治療や施設での更生を行うものの、案外、あっさり放置されたりもする話を聞くので、その後も、しっかりと支えてあげてほしいな・・と思います。


12歳の少女の教室での殺人未遂事件


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