2023年12月30日土曜日

ノエルが終わって、あっという間にびっくりするほど値引きしている生牡蠣に手を出そうかどうか迷う

  


 実は、私は、ノエルが終わった後のスーパーマーケットをちょっと楽しみにしています。特に、ふつう、フランス人が食べるような食品がすごく好きというわけではないので、最近は、クリスマスもなんか、ふつうにちょっとごちそうっぽいものを用意するくらいでです。

 しかし、ノエルが終わるととたんに、ノエル用の食材は、値引きを始めるので、この時期にスーパーマーケットに行って、「えっ?1日違うだけでこんなに安くなってる!」と、嬉しくなって、「まあ、これだけ安くなっているなら、買ってもいいかな??」となります。

 とはいえ、まだ、年越しというイベントもすぐ控えているので、そこまで驚くほど安くなっているわけではなく、20%offとか、せいぜい30%offとかで、しかもよく見ると、「2つ目が・・」というのがついていたりするので、「意外とシブいな~」と、「よし、年越しが終わるまで待ってみるか・・」とこちらも、引き下がりません。

 というより、正直なところ、今は日本から持ってきている食料品がまだ、たくさんあるために、ちょっと満ち足りていて、「よっぽど安くなっているなら、買ってあげてもよくってよ・・」「今はもっともっと美味しいものがたくさんあるんだから・・」などと思いながら、なんとなく余裕な気持ちなのです。

 ところが、生牡蠣の積み上げてある箱を覗いたら、50%offとか、70%offとかいうのまであって、さすがに、これには、心が動きました。

 いくら日本から食料品をたくさん持ってきているとはいえ、生牡蠣はムリな話。そして、けっこう生牡蠣は好きなのです。ただ、フランスだと殻ごと売っているので、殻をあけるのが面倒くさいし、ゴミの量が半端ではないので、いつも躊躇してしまいます。

 一応、フランスに来てから、牡蠣の殻をあけるのは、マスターしたのですが、それでもラクではなく、たいてい、手に切り傷の一つは作ります。

 そして、この生牡蠣の激安には、おそらくもう一つ理由があり、今年は、ノエル以降、アルカッション湾の牡蠣に加えて、ノルマンディーのカルバドスの牡蠣でも、集団食中毒が報告され、販売禁止および、その地域での貝類の収穫(趣味の範囲での釣りも含めて)も禁止することが発表されています。

 そうそう、生牡蠣で怖いのは、食中毒。レストランで食べるならともかく、フランスで生牡蠣を買おうと思うときに、ふと頭をよぎる「あたったら、怖いな・・」という不安。

 今年は、この食中毒のニュースを聞いていたので、やっぱり、この地域のものではなくても、やっぱり伸ばしかけた手が引っ込んでしまいました。


 だいたい、牡蠣というものを保管するのには、どの程度の温度がふさわしいのかわかりませんが、冷蔵室でもない空間にごっそり積まれている牡蠣の木箱に、牡蠣は常温保存でも大丈夫なの?と思わないでもありません。

 これまで、私は牡蠣にあたったことはありませんが、一度、他の海鮮類で食中毒を経験し、あの時の辛さを考えると、やっぱり安くしてくれても勇気がありませんでした。

 牡蠣といえば、娘が小さい頃からの大好物。フランス料理が苦手な娘は、レストランに行っても、生牡蠣なら、大丈夫!と、フレンチのお店に行けば、彼女が注文するのは、生牡蠣だけ・・お店の人から、「こんな子供が牡蠣が好きなんて!初めて見た!」とかびっくりされたことがありました。

 また、シャンゼリゼで迷子になった時、私は携帯の着信に気付かずに夢中で探し回って、ふと、携帯に娘が助けを求めた警察官からのメッセージがはいっていたのに気が付いて、ようやく、「ここでお嬢さんと待っていますから来てください」というのを聞いて、慌てて、娘を迎えに行った帰り道。

 予想外に娘は、全然、不安そうな様子はなく、「このままママが来なかったら、きっと、食事の時間になって、何か食べさせてもらえるだろうから、「生牡蠣」を頼もうと考えていた・・」という、あまりにお気楽で脳天気でとんでもないことを考えていて、「子どもを保護した警察で、生牡蠣なんかたべさせてくれるわけないでしょ!」と怒りながらも、なんだかそのお気楽さにあまりに呆れて笑ってしまったことを思い出しました。

 

爆安 生牡蠣


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