2023年12月22日金曜日

7年前に起こった日本人留学生殺人事件 容疑者に懲役28年求刑

  


 7年前、2016年12月にフランス東部ブザンソンに留学していた日本人女子学生(当時21歳)が殺害されたとされる事件の控訴審で元交際相手のチリ人の男性に対し、第一審と同じ懲役28年が求刑されました。

 今回の裁判は、13日間にもわたる控訴審で、裁判所は、このチリ人が新しい交際相手ができた彼女に対して強烈な嫉妬にかられてフランスに戻り、彼女を取り戻すか、それが叶わなければ殺そうとしていたとし、2016年12月4日から5日の夜に黒崎成美さんを計画的に殺害し、その後樹林帯に遺体を処分したとみなしました。

 彼は、この7年間の間、一貫して無実を訴え続けているうえに、遺体も発見されていないのですが、公判を通して、彼は、彼女との関係における彼の横暴な態度、嫉妬、脅迫ビデオ、フランシュ・コンテでの旅程、森や彼女の大学の寮周辺での夜間の行動などの目撃証言に加えて、 2016年12月4日の夕方、そして夜に聞こえたとされる叫び声など、彼に不利な数多くの証拠があがっていました。

 彼は、彼女に会うためにフランスにやってきたということと、彼女が行方不明になった前日の夜に彼女の大学の寮の部屋をノックしていたところを証人に見られたということは、認めたものの、「それでも、私は殺人者ではない」と主張し続けています。

 彼は、裁判中は、あまり感情を表に出さなかったと言われていますが、裁判に集中し、膝の上に置いたノートに必死でメモを取りながら、自分の弁護に積極的に取り組み、 特に収監中に看守に受けた暴行について言及したり、彼女を殺していないことを繰り返した挙句に泣き崩れて最後まで、「私は彼女を殺していない」と繰り返していたそうです。

 具体的な証拠については、詳細は不明ではありますが、彼が7年間、否認を続けていることや遺体を処分したとみなされている森からも遺体が発見されていないことは、冤罪の可能性もあり得るのではないか?とも思ってしまうところですが、彼には殺人罪で懲役28年という判決が下されたうえに、刑期が終了すれば、フランス領土への帰還も禁止されます。

 もっとも、もし、これが冤罪であったなら、頼まれたってフランスには二度と来たくないだろうと思いますが・・。

 また、裁判所は民事審理で損害賠償に関する判決も下しています。フランスでは、被害者の遺族が被告に対して、損害賠償を求めることができます。この事件に関しては、裁判長は、被告に対して、被害者の両親に6万ユーロ(約940万円)、被害者の姉妹に5万ユーロ(約785万円)、最後に被害者の最後の恋人に5千ユーロを支払うことを命じています。

 被害者の両親と姉妹に別々に支払ううえに、最後の恋人にまで支払いというのも、ちょっとビックリです。

 また、この控訴審では、被害者家族の悲しみにも注目されています。被害者側の弁護士は、遺族の訴えているありえない追悼や永遠の苦痛の他、自殺未遂を起こしたことや、被告の足跡をたどるためにチリを旅したことなども説明し、裁判の傍聴中、被害者の母親が何度も泣き崩れ、弁護士の弁論を中断しなければならなかったと言われています。

 被害者の遺族の感情は察するに余りあるところではありますが、被告側の弁護士は、この判決に対して、不服を申し立て、最高裁へ向かうことを発表しています。


日本人留学生殺人事件


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