パリの日常では、もうすっかり見慣れてしまって、空港などはもちろんのこと、大きな駅や街中でも、きっと、初めて見たら、ギョッとするような数のイカつい警察官や、たくさんの警察車両が並んでいたりしますが、もうそんな光景にも慣れてしまって、あらためて、驚くこともなくなっていますが、考えてみたら、パリは普段から、警戒のために巡回してくださっている警察官の数は他の都市と比べても相当数にのぼるものと思われます。
たとえば、他の地方に行っていたりして、パリに戻ってくると、あらためて、パリは本当に警察官の多い街だなぁと思います。
しかし、私たちが、一見、一括りに見てしまう警察も国家警察やその特殊部隊、自治体の警察、憲兵隊と様々な組織で構成されていますが、このなかの自治体警察の労働組合が26,000人(フランス全国地方自治体警察官連盟(FNPMF)によると、各自治体の市長の競争によって採用された地方公務員と自治体警察官の数は20年間で倍増し、現在では2万6000人に及んでいる)に、まさかのノエルと大晦日から元旦にかけてのストライキを呼び掛けています。
ノエルは、どちらかといえば家族で過ごす人も多いため、そこまでの緊張状態が起こることは少ないとはいえ、祝祭の日といえば、世間は少なからず興奮状態にあり、問題も起こりやすく、ましてや、大晦日の日ともなれば、圧倒的に元気な若者たちは外に出て騒ぐ者が多く、毎年、何十台もの車が燃えることでも有名な暴動じみたことが起こる日でもあり、よりにもよって、そんな日に警察がストライキとは前代未聞のことです。
彼らはこのストライキの要求として、「自治体警察の給料は低く、国家警察はより良い社会保障を受けている」と訴え、給与水準の引き上げを求めています。また、年金についても、35年間就労して、月額1,200~1,400ユーロのみで、同じ危険にさらされながら仕事をしているのに国家警察とはえらく違う!」と。
ストライキを呼び掛けるからには、最も効果的な(世の中を混乱させたり、迷惑をかける)タイミングを選択しようとするのは、わからないでもありませんが、こと一般市民の安全にかかわる職業では、それってありなの?という気がしないでもありません。
しかし、今回の彼らは、最終的にはパリオリンピックという特別な切り札も持っており、ノエル、大晦日から元旦にかけて、そして、2月3日での全国の自治体での集会を予告しており、それでも改善されない場合には、「パリオリンピックの警備には携わらない!」と警告しています。
パリオリンピックといっても、競技はパリだけで行われるわけではなく、全国規模で展開されるもので、各自治体の警察の協力は必要不可欠です。
日頃、私が見かけるたくさんの警察官のうち、一体、自治体警察がどれほどの割合を占めているのかはわかりませんが、オリンピックともなれば、マックスの警戒体制が敷かれる予定になっているのは、明白です。
それが崩れることは、大変なことです。
パリは、平常時でさえ、観光客が多い場所で、観光客だけでなく、その観光客狙いの犯罪者も周囲の国々から集まってくる場所でもあります。
ノエルと年末年始に加えて、オリンピックまで盾にしている自治体警察は、要求を叶えられるのでしょうか?
しかし、今後、年明け以降、オリンピックを盾にしたストライキが他にも続々と起こる可能性があるかもしれません。
自治体警察ストライキ
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