美しく歳を重ねる同じアパートのフランス人のマダム
彼女は、私と同じアパートの住人で、今の住まいに引っ越して来て以来の付き合いなので、もう、ずいぶんと長い付き合いになります。
彼女とは、付き合いといっても、顔を合わせた時に少し、話をする程度です。
もう多分、60も過ぎていると思いますが、小柄な彼女は、出勤の際にも、いつも、きっちりとお化粧をして、髪の毛もキレイにセットして、香水の香りを漂わせながら、ニッコリと笑顔で挨拶をしてくれます。
そして、アパートのエントランスを出ると、振り返って、ベランダから手を見送るご主人に手を振りながら、華やかな笑顔で投げキスを送っていきます。
その姿は、ただただ、華やかで、見事としか言いようがありません。
下手をすると、あれだけキッチリとお化粧をしたら、下品でケバケバしい感じになりかねないところですが、彼女からは、そんな印象はまるで受けません。
実は、彼女の職場は、家からバスで5分のところにオフィスがあり、彼女はれっきとしたキチキチの公務員なのです。その5分の通勤と事務所での仕事のために、彼女は毎朝、きっちりとメイクを施し、髪をキレイに整え、美しい身なりをして出かけているのです。
彼女は、一生、女として現役、そのための努力には、頭が下がります。
朝は、遅めに出勤して、昼食は、体型維持のために取らないのだそうです。
週末には、時々、お孫さんが来ていて、その時は、ノーメイクで近所でお買い物をしていたりしますが、また、ノーメイクの時に会っても、彼女は溢れんばかりの笑顔で、スッピンを堂々と臆することなくさらしています。
彼女は、自分自身と同様、家族をとても大切にしているのです。
オンオフをしっかり分けて、それを自然にやってのけている彼女は、歳を重ねても、とても美しいのです。
むしろ、若い子にはない気品とゆとりが備わっています。
彼女がキッチリとメイクをして、着飾っても決して、下品にならないのは、毎日の日常をしっかりと生きているからに他なりません。
家族を愛し、愛され、地に足がついた彼女の生き方が、彼女の美しさを作り上げていると思うのです。
生き様は、容姿に表れるものなのです。
とかく、女性は、男性に比べて、年齢とともに、容姿の劣化を指摘されがちですが、彼女を見ていると、こうやって、堂々と美しく年齢を重ねることができるのだと思わせてくれるのです。
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