グラヴリーヌ原子力発電所(オー・ド・フランス地域圏・ノール県)の原子炉冷却水ろ過システムにクラゲが流入したため、原子炉4基が自動停止するという事態が発生しています。
なんで「クラゲ」?と思うのですが、この夏、フランスの多くのビーチでも、クラゲの大量発生が報告されているのです。
EDF(フランス電力)の発表によれば、原子炉冷却用の水を汲み上げるポンプ場におけるクラゲが大量かつ予期不能なほどに発生のため、グラヴリーヌ原子力発電所の4基が停止しました。
また、併せて、この2号機、3号機、4号機、6号機の自動停止は、「施設の安全性、作業員の安全性、環境への影響はなかった」と明言。
そのため、他の2基の発電ユニット(1号機と5号機)は現在メンテナンス中であるため、発電所は一時的に完全に停止しています。
実際にフランスにある原子力発電所の原子炉で、「メンテナンス中」というものは、意外にも多いものです。
EDFは、「発電所では、これに対応するチームが動員され、現在、発電ユニットを安全に稼働するために必要な調査と介入を行っています」と発表しており、電力会社の広報担当者によると、「再稼働は、数日以内に予定されている」とのことです。
また、「他の原子力発電所や太陽光発電などのエネルギー源が現在、稼働しているため、今回の事故による電力網の供給不足のリスクはない」としています。
クラゲの侵入により原子炉が麻痺するのは、非常に稀なこととはいえ、EDFは、1990年代に既に同様の事例を経験しているとインタビューに応じた広報担当者は回答しています。
同様の事例は、2010年代にアメリカ、スコットランド、スウェーデン、日本でも発生しているそうです。
クラゲのような海洋生物の増殖は、気候変動による海洋温暖化だけでなく、マグロなどの直接的な天敵の一部を乱獲することなど、いくつかの要因によるものと言われています。
地球温暖化はもちろんのこと、自然の脅威は、隙を見ては、攻撃の手をのばしてくる・・そんな気もします。
クラゲ 原子炉停止
<関連記事>
0 コメント:
コメントを投稿