フランスに来た当初、銀行に口座を作って、日本では、お目にかからなかった小切手というものをもらい、「ほ~っ!こんなものがあるのか・・」と物珍しい気がした記憶があります。
当時(25年くらい前)は、実に小切手は、必要不可欠のものであり、税金等の支払い、家賃の支払いや電気代の支払い、子どもの学費やお稽古事の費用、高額な支払い、また支払う時点まで金額が不明の場合の支払いなどなど、かなり多くの支払いに利用していました。
そういえば、小切手用のお財布や小切手が入るお財布なるものも、昔はあったような気がします。
特に、自動引き落としが信用できず(以前にedf(電気)に桁を間違えられて引き落とされて、大変な思いをしたことがあるため)、絶対に請求書で金額を確認してから、小切手を書くようにしていたし、後になって、支払われていないとか言われた場合にこの日付でこの小切手ナンバーで支払いましたということが言いやすいので、敢えて、小切手で支払いをしていたということもありました。
なので、年に何回かは、銀行に新しい小切手をもらうように頼んでいたし、そういえば、常にお財布には、非常時に備えて、金額もサインもしていない小切手を1枚は、お財布に入れていたものでした。
それが、ほんとうにいつの間にか、この小切手は、ほとんど使わないようになっていて、一応、家には小切手はまだあるものの、使うことは、ほとんどなくなりました。
ほとんどが銀行のカードか、ネットで振込をすることで、事足りてしまうため、わざわざ小切手を書いて、それを送ったり、渡しに行ったりする手間が省けてしまうのです。
それは、私だけではないようで、フランス全体でも、ここ15年ほどで小切手の利用率は72%減少したとのことで、2000年には、取引の37%を占めていた小切手は、3%までに減少したとのことで、2027年には、最後の小切手処理センターが閉鎖される予定になっているそうです。
利用が減っているにもかかわらず、小切手の偽造は増加しているとのことで、今や小切手は、受け取る側からしても、まことに始末の悪いものになりつつもあります。
今、小切手が廃止されても、日常生活には、ほぼほぼ支障はないとは思いつつ、なにかの際の非常手段として、あり続けてくれることは、やっぱり、いつ何が起こるかわからないフランスでは、安心なような気もするのですが・・。
2027年小切手廃止
<関連記事>
「現金決済の終わり? ATMに関する複数のデマとほんの少しの真実」
0 コメント:
コメントを投稿