2021年7月15日木曜日

2021年のパリ祭のシャンゼリゼの軍事パレードが復活した!

   

騎馬隊はパレードのハイライトでもある 色の調和が素晴らしい!


 フランスの革命記念日は、祝祭日で、毎年、パリのシャンゼリゼでは、大規模な軍事パレードが行われます。昨年は、パンデミックのために、シャンゼリゼでのパレードはキャンセルになり、コンコルド広場を中心に小規模な形で行われましたが、今年は、かなり例年に近い形で行われました。

 とはいえ、全国から集まってくるシャンゼリゼの沿道は、通常の2万5千人に対して、1万人までに制限され、その上、朝早くから、観客のヘルスパスやテロ対策の荷物チェック、マスク着用が義務付けられる厳戒態勢の中で行われました。

 昨年の縮小されたパリ祭の最後には、「来年こそは、元どおりのデフィレ(パリ祭の軍事パレード)を!」と願っていたのに、元どおりにはなりませんでしたが、パレード自体が復活しただけでも、大きな前進です。

  


  7月14日のパリ祭は、フランス人にとって、特別な日で、パリだけでなく、全国各地で花火が上がったり、お祭り騒ぎになる日ですが、今年はまだ、その花火もキャンセルになってしまったところが少なくありませんでした。

 しかし、2年ぶりに見たパレードはやはり圧巻で、緩やかな坂の上にある凱旋門から続くトリコロールのフランス国旗に彩られた緑のマロニエの木々に挟まれたシャンゼリゼの大通りが素晴らしいステージです。 

   


 2021年のテーマは「未来を勝ち取る!」だったそうで、高ハイテク機器も登場しました。

 それぞれの部隊ごとの制服、制帽に身を包んだ4,300人の兵士、73機の飛行機、24機のヘリコプター、221台の戦車などの車両、200頭の騎馬隊を含む5,000人がシャンゼリゼを次から次へと2時間以上かけて登場する光景は、洗練されていて、見事なもので、毎年のことながら、感動します。  

この戦車は実際に戦争で使われているもの すごい迫力!

 フランス人の愛国心の強さは、こういったフランスを誇らしく思えるような行事が大きく支えているような気もします。フランス人ではない私でさえも、日々のトラブル連続の生活を忘れて、フランスにいてよかった!とうっかり思ってしまうような日でもあります。

  

白バイもブルーと黄色のライトでこれだけ集まると壮観

 パリ祭が近づくと、このパレードのための予行演習が行われ、パリの上空には、デフィレに登場する飛行機が飛び、飛行機やヘリコプターが飛ぶ爆音が聞こえてきて、慌てて窓の外を眺めてみたりします。

 昨年は、外に出れない中、この同じ窓から、同じようなヘリコプターが「また誰か患者が運ばれている・・」と思いながら眺めていたな・・と思うと感慨もひとしおでした。

  

航空ショーのハイライトは、トリコロールカラーの煙を流して飛ぶ飛行機


 パリでは、夜には音楽祭、花火なども上がりましたが、ヘルスパス(ワクチン接種証明書またはPCR検査の陰性証明書、6ヶ月以内にコロナウィルスに感染した証明書)保持者のみの厳戒態勢が敷かれました。

 しかし、フランスらしいところは、感染状況が危ういというのに、こういったイベントを「今まで頑張ってきたのだから、こういうことも大事だ!」と皆が肯定するところです。

   

夜には、エッフェル塔で盛大に花火が上がりました

 しかし、このような華やかな行事が行われる中、先日、マクロン大統領が発表した医療従事者へのワクチン接種の義務化やヘルスパスに反対するデモがパリ、マルセイユ、ナント、モンペリエなどで起こっており、パリで晴れやかにパレードをしている同僚とは裏腹に催涙ガスでデモ隊と戦っていた彼らの同僚が大勢いたことは、残念なことです。

 バカンス期間中ゆえ、デモは起こらないと思っていましたが、やはり一部の人には、依然として受け入れ難いことのようですが、これがバカンス期間中でなかったら、もっと大変な騒ぎになっていたのではないかと思うとゾッとします。

 しかし、マクロン大統領の発表以来、ワクチンの予約や接種状況が激増していることを考えると、このデモに参加する人々がごく少数派になってくれることを祈るような気持ちです。


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