2020年5月1日金曜日

5月11日のパリのロックダウン解除は延期になる? ロックダウン解除予報マップ


Coronavirus : carte des départements, masques, Ligue1… l’essentiel de l’actualité du 30 avril

 フランスのロックダウン解除の判断の指標とされる、ウィルスの循環状況や、コロナウィルス対応の病床の占拠状況などを地域ごとに、色分けされたロックダウン解除予報マップのようなものが、発表されました。

 この発表が、今日から、天気予報のように、毎日、発表されると聞いて、私は、成績表を待つような気持ちで、見ていました。

 ロックダウン解除される地域は、緑、そうでない場合は、赤とされていたのに加えて、オレンジ(オレンジと呼んでいるけど、私には、黄色に見える)=どちらに転ぶかわからない地域の3色に分けられています。

 これは、今後、5月7日までの感染状況や病床状態の変化によって、各地域の色は、変わっていくことがあり得ます。

 日頃のニュースからも、イル・ド・フランス(パリを中心とする地域)や、フランスのオーバーシュートの震源地となったグラン・エスト(フランスの北東部の地域)などは、被害も大きく、ロックダウンになって以来、医療崩壊を起こして、病院に患者が収容しきれずに、廊下に溢れていたり、必死に、重症患者を他の地方に搬送していたりしたので、充分に無理なことは、明白であったのですが、地図を見て、「あ〜〜やっぱり、ダメだった・・」と思った自分に驚いたくらいです。

 実際のところは、今の状況では、私は、ロックダウンの解除はして欲しくないし、怖くてたまらないし、考えてみれば、地域ごとにロックダウンを解除すると言った時点で、パリのロックダウン解除は、あり得ない話だったのです。

 逆に、被害者も医療崩壊の度合いも激しいパリをロックダウン解除するなら、何も段階的にロックダウン解除などという必要はないわけです。

 もしも、パリがロックダウン解除になるとしたら、かなり厳しい制約付きの解除になるだろうし、そのようにしてもらわないと困ります。

 これから、長い間、きっと、毎日、天気予報を見るように、この地図を見るのが習慣化するのかもしれません。これが、この先、将来、ロックダウンが解除された時に、地域ごとに、日本の花粉情報のように、より細かい状況がわかれば、少し、危険な地域を避けられたりすることがあるかもしれません。

 天気予報に加えて、ウィルス予報・・今まで、考えもしなかったことが現実になっています。

 この地図を前もって発表することで、国民の意識が上向きに向かう効果が現れてくれればと思いますが、不安材料が、もう一つあります。

 マラリアの治療薬(予防薬)であるクロロキンを使ったコロナウィルスの治療でフランスでは、一躍、英雄扱いされている、マルセイユ医大の感染症の研究の権威、ラウルト教授がテレビのニュース番組のインタビューで、「コロナウィルスの感染は、落ち着いてきているし、第二波が来ることは、SFのように、信じ難いことだ。」と発言したのです。

 このような影響力が絶大な人の発言が、国民を一気に油断させる一旦にならないかと心配しています。

 彼は、インタビューに対して、感染症研究の視点から言えば、コロナウィルスの致死率は、大したことはないもので、季節的なものも影響しているので春から夏にかけてウィルスは減少するであろうと答えています。

 しかし、感染が少しずつ減少してきたのは、一ヶ月半にわたるロックダウンの効果であるに違いないのです。

 彼の話を聞いていると、彼は、あくまで研究者であることをひしひしと感じます。「治療薬が開発されて認証されるまでに一年かかったとして、その時に、治験対象者がいるかどうか?」などという、ちょっと信じ難いことまで語っています。

 クロロキンの投与に関しては、賛否両論あり、投与のタイミングの難しさ、副作用などもあることから異論も出ていますが、とかく、影響力のある人物の楽天的とも受け取れる発言が、今、綱渡りの状態であるフランス国民の気を緩ませるきっかけとならないことを祈るばかりです。














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