2020年5月20日水曜日

フランスのコロナウィルスの流行は、いつから始まっていたのか?




 フランスでの感染爆発の感染源の一つとなったのは、グランエスト(フランス北東部の地方)ミュールーズにある教会での、今年の2月中旬に、一週間にわたる全国から大勢の信者の集まる集会であったことがわかっていますが、(そこから感染が広がり、いよいよフランス中が危機的状況に陥ったのが、それから約一ヶ月後の3月中旬のことです。)ここのところ、そもそも、最初の感染は、いつから始まっていたのか? ということをフランス中の医師たちが突き止めようとする動きが見られています。

 2週間ほど前だったでしょうか? 2月の中旬のグランエストでの集会よりも、かなり早い段階、昨年の12月27日の段階で、原因不明とされていた患者が、実は、コロナウィルスに感染していたことが、発覚しました。

 その患者が感染して、症状を発症していた段階では、コロナウィルスの症状も具体的に知れ渡っておらず、病名がつけられていなかったのです。幸いにも、その患者さんが回復して、かなり経って、コロナウィルスが全国に蔓延した後に、担当していた医師が、もしかしたら、あの患者は、コロナウィルスに感染していたのではないかと、この患者のPCRサンプルを再分析したところ、実は、コロナウィルスに感染していたことがわかったのです。

 その男性の感染経路を調べると、彼の行動範囲には、感染経路は、見つからず、どうやら、その男性の妻が空港近くのスーパーマーケットで働いており、旅行用のキャリーバッグを転がしながらやってきた旅行者を応対した経過があり、彼の妻が最初に感染していたことが突き止められています。

 ところが、フランス・フィガロ紙によれば、ここにきて、多くの医師たちが、昨年の10月まで遡って、病院で対応した患者のレントゲン写真をはじめとする詳細なデータの再確認を始めたところ、コロナウィルスの流行が中国でさえ確認されていなかった、昨年の11月16日以前のデータにコロナウィルスと見られる症例が2件、確認されたことが、発表されています。

 2019年11月16日からのコロナウィルスの2つのケースから、その後1月16日の段階での12人への感染を特定し、それは、 2020年に入ってからの、本格的なフランスでの流行の段階まで続いていると、コルマール病院の医用画像部門の責任者であるミシェルシュミット博士は、プレスリリースで詳しく述べています。

 今後、これらの研究は、臨床的、生物学的歴史や、どのような人、どのような場合に感染したのか、しなかったのか、感染は、どういう経路を取りやすいのか?などなど、今後の感染予防環境とライフスタイル、可能な旅行などの方法を再構築することに大変、有効な研究と見られています。

 コロナウィルスの感染の経緯や状況を遡って研究することで、今後、しばらくは、続くと思われるコロナウィルスとの共存する生活への新しいアプローチの試みが始まっています。


 

 

0 コメント: