2020年5月18日月曜日

ロックダウン解除後、フランス国内 100キロ以上移動して帰ってきた娘



 学業のために、親元を離れて、シェアハウスで一人暮らしをしていた娘が、2年間のエコールでの生活を終えて、自宅に帰ってくることになりました。あと、最低でも1年間は、学生生活が続くのですが、ここから先、一年間は、実際には、海外へのスタージュ(インターンシップ)や、留学の予定になっているために、コロナウィルスとは、関係なしに、シェアハウスは、引き上げてくることになっており、そのタイミングを見計らっていました。

 シェアハウスの契約が学校の授業と試験が終了する5月の半ばまでにしていたため、どちらにしても、その前には、帰って来なければならない状況でしたが、最初にロックダウンになることが決まった段階で(3月半ば)、すぐにパリに帰ってくるという選択もあったのですが、どちらにしても、学校の授業は、リモートに切り替わりましたが、その時点では、ロックダウンがいつまで続くかも不明でしたし、ウィルスが蔓延する中、公共交通機関を利用して、感染が一番、蔓延しているパリに戻ってくる危険を侵す必要もなく、そのままシェアハウスに留まることにしていたのです。

 それから約2ヶ月間は、結局、彼女は、パリに戻ってくることはなく、2月の末に冬休みの際にパリに帰ってきた段階では、ロックダウンになるなどとは、夢にも思っておらず、5月までの間に2回くらい帰ってくるから、その都度、荷物は、少しずつ運ぶことにするつもりでいました。

 ところが、コロナウィルスの蔓延で、事態は、急変し、結局、その間に帰って来れないことになってしまったので、少しずつ持って帰ってくるはずの荷物は、結局、最後に引き上げる時点では、持ち切れないハメになり、送ることになってしまったのです。

 結局、彼女が帰ってくる一週間ほど前に、ロックダウンが解除になりましたが、それでも、原則として、100キロ以上の移動は、禁止の状態で、仕事、家族の介護等の特別な事情以外は、今のところ、認められていません。

 引越しは、認められるかハッキリわからないまま、一応、移動証明書をダウンロードして、彼女は、シェアハウスの仲間に送ってもらって、駅に向かったのです。その時点では、「いざとなったら、病気の母が・・」と言い訳をしようか?・・などと話していました。

 しかし、出発地点の駅には、改札以外は特別なチェックはなく、TGV(フランスの新幹線)に早めに乗りこんで、席について、ホッとすると、間もなく、彼女は、自分が買っていたチケットとは、違う電車に間違って乗ってしまったことに気づきましたが、時はすでに遅しで、電車は、発車した後でした。その上、ダウンロードしたはずの証明書がちゃんとチャージされておらず、青ざめて、慌てて、電車の中で、証明書を手書きしたようです。

 TGVの車内は、30%くらいの乗車率で、出発前に、全車両、消毒済みというアナウンスがあったとか・・皆、マスクをしていたし、あまり人も乗っていなかったので、緊張が緩んで、なんと、TGVの中ではすっかり寝入ってしまったというのですから、驚きです。

 朝、早くから荷造りや、部屋の片付けで疲れていたのはわかりますが、私だったら、危険な移動・・きっと、緊張してピリピリして、車内で寝入ってしまうことなど考えられないことです。とはいえ、パリまでは、直行の電車だったからか? 車内の人の移動を抑えるためか? 車内での検札もなく、無事に、パリ・モンパルナス駅に到着したのでした。

 しかし、パリのモンパルナス駅では、改札の前には、多くの警察官のバリアができており、パリ市内には、チェックなしに入ることはできない状態になっていました。

 彼女は、余計なことは、言わないようにしようと心に決め、自分で手書きした証明書とアパートの期限が終了した契約書を見せると、めんどくさそうに書類を一瞥し、難なく警察のチェックを突破して、無事に帰宅したのでした。

 しかし、たとえ、警察のチェックに引っかかったとしても、また、現地に戻されるわけでもなく、罰金を払えば済むわけで、なんか、腑に落ちない話です。それならば、罰金は、パリへの入場料のようなもので、正当な理由がなくとも移動できることになってしまっているわけです。

 本来、感染拡大防止を目的とするならば、長距離移動をする出発地でのチェックを強化して、正当な移動でない場合は、そこで、引き返させるのが妥当だと思うのです。

 まあ、現在のところは、ロックダウンが解除になって、間もないことで、バカンスの時期ともズレているので、それなりの理由がない場合は、長距離移動をする人もあまりいないと思うので、問題にならないのかもしれませんが、それにしても、今は、ただでさえ、人手の足りない警戒対策の人員の配置の仕方がどこか、的外れな感が拭いきれません。

 しかし、初めて親元を離れて暮らした彼女のシェアハウス生活も、最後に、色々と現地を見て歩こうと思っていたのに、最後の2ヶ月は、まさかのロックダウン生活。呆気ない最後になりました。

 しかし、初めての一人暮らしがどうなるかと心配していましたが、シェアハウスでは、まさかの寮長のような存在になり、親しい友人もでき、自分の希望していた専攻のエコールで学び、いくつかのアルバイトも経験し、あっという間の2年間でした。

 本来は、6月からは、イギリスの大学でのインターシップが決まっていて、ロンドンに行くことになっていましたが、幸い、キャンセルにはなりませんでしたが、当面は、リモートでの仕事ということになったようで、実際にロンドンへ行けるかどうかは、今のところは、不明です。

 それでも、ひとまず、無事に帰ってきてくれて、ホッとしていますが、寮長のように、しっかりと生活を送っていた娘は、家に帰ってくると、寮長の面影は微塵もなく、また、以前、家で暮らしていた時のようにすっかり戻ってしまっていることを微妙な気持ちで眺めています。


<関連>「フランスのシェアハウスで、いつの間にか寮長のようになっていた娘」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/08/blog-post_64.html
 

 

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