コロナウィルス・ロックダウン解除 安全は、保障されるか?
フランスの5月11日のロックダウン解除まで、一週間となりました。フランスでは、ウィルスの感染が収まっていない状況でのロックダウン解除に際しての安全の確保について、盛んに語られています。
テレビでは、正しいマスクの付け方、はずし方を解説したりしていますが、同時に、そのマスクが、手に入りにくい状況も報じています。今週から、一般大衆に向けて発売されるマスクも、まずは、医療機関に廻すべきではないか?との声も上がっています。
また、人の往来に不可欠な公共交通機関であるSNCF(フランス国鉄)やRATP(パリ交通公団)は、「今の状況では、5月11日の段階での安全を保障できない」ことを発表しています。「リスクがあることを伝えるのは、とても、大切なこと」としています。
昨年の12月から長期間、続いた公共交通機関のストライキの際などは、間引き運転で、混雑する電車に乗り込もうとする人々で、我れ先に電車に乗り込もうと争う様子に地獄絵図を見るようだと思いましたが、今回は、それに感染の恐怖が加わるのですから、交通機関の混乱は、安易に予想できます。
そのため、自転車や車で通勤する人が増えましたが、それが可能な人も限られており、交通機関の安全の問題は、ロックダウン解除の際の大きな課題となります。
また、「防護」「検査」「隔離」と軸としたロックダウン解除の「検査」に関しても、一週間に70万件という目標を掲げていますが、準備も難航しており、すでに、ミッション・インポッシブルなどと揶揄されています。
ただ、PCR検査の費用の負担に関しては、国民健康保険でカバーされることも同時に発表されていますので、アメリカのように、生活貧窮者が検査費用の負担を案じて、検査を拒否するようなことには、ならないと思います。
また、「隔離」に関しては、ここ数日間に、海外にいるフランス人の帰国に際して、空港でのチェックが甘いことが指摘されています。現在、飛行機の便数も極端に減っているため、出発地の空港では、人との距離を取るように、うるさく呼びかけられていたのに、実際に、いざ、飛行機に乗ると、満席状態、入国の際の健康チェックも、あまり厳しいものではなく、入国後は、2週間は、行動を控えるようにとは言われるものの、その後の追跡もなく、大勢の人が、そのまま、野に放たれている状態です。
もともと、衛生観念の低い、モラルに欠ける人々が2ヶ月間のストレス状態から、ある日、解き放たれたら、どうなるか?
「今回、ロックダウン解除ができなかった地域に関しては、さらに規制が厳しくなる。」としていますが、あと一週間となった今も、課題は、山積みのようです。
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