ロックダウン解除でもオープンできないパリのレストラン・カフェの抗議のアクション
5月11日に全国的にロックダウンが解除された今でも、未だ、フランスのレストラン・カフェのオープンは、禁止されたままです。一部、テイクアウトや宅配などのサービスは許可されていますが、大多数の店舗は、閉店されたままです。
5月11日の段階で、ロックダウン解除の更なる段階は、6月2日に、その時点での感染状況を見て、判断、発表するとのことでしたので、6月2日を一週間後に控え、レストラン・カフェ・ホテルの経営者は、営業再開を訴えるアクションを起こすことを呼びかけています。
レストラン・カフェ・ホテル経営者は、彼らのシンボルであるオブジェ・パンのバスケット、シェフの帽子、コーヒーカップなどを店舗の前に積み上げて、「#ATable」ア・ターブル!(テーブルへ!)と営業再開を求めるアクションを起こしたのです。
5月7日のロックダウン解除の発表の際には、6月2日の段階で、グリーンゾーンと判断された地域では、レストランのオープンを段階的に行うとのことでしたので、発表以来、レストラン・カフェの経営者は、どのように安全対策をとって営業を再開できるかをこの間、試行錯誤してきたのです。
6月3日に営業再開が許可されるとしても、具体的な規制への準備を進めるためには、できるだけ早く、その詳細を発表する必要があります。
そもそもフランスの(特にパリ)レストラン・カフェは、狭いスペースに小さめのテーブルが所狭しと置かれている店舗が多いのです。当然、お客さん同士の間隔も狭く、人と人との1〜2メートルの間隔をとるとなると、通常の半分どころか、3分の1から4分の1くらいのテーブルしか置くことはできません。
カフェなどは、お店の前の、通り沿いのテラスにもテーブルが置かれていますが、テラスのスペースの拡大なども考慮されています。
これまでの席数に近い営業をするためには、人とのバリアを作るために透明なバリア等を設置するなどの設備投資も必要になります。
グルメ大国と言われるフランスではありますが、外食は、もちろん、美味しいものを食べに行くということもありますが、フランス人にとっては、人と話す、集うということも大きな理由です。普段、外食をして、周りを見ていると、フランス人の食事は、とにかく長い。そして、ひたすら喋る。食事のあいだ中、ひたすら喋り、ようやく終わりかと思うとデザートを必ず注文し、シメのコーヒーを飲み終わるまでには、相当な時間がかかります。
一度にお客さんが入れる人数が限られるとすると、少しでも回転を良くする必要がありますが、それもフランス人相手には、なかなかハードルが高いのです。
ロックダウン状況になって、あらためて思い知らされるのは、Uber Eatsなどを頼んでも、便利ではあっても、やっぱり何か物足りないし、味気ない。外食は、そのレストランやカフェのお店の雰囲気やデコレーション、素敵な食器、周りの人との何らかのやりとり、更には、何となく聞こえてくるザワザワした周りの人の話し声や食器が合わさる音など全てをひっくるめて楽しいのだということです。
しばらくは、レストランがオープンしても、これまでとは、違う状況になるでしょうが、いつの日か、また以前のように外食を楽しめる日が、私もそろそろ恋しくなっています。
<関連>「パリのカフェに見るフランス人の日常の楽しみ方」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/12/blog-post_85.html
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