ロックダウン解除後の最初の週末を迎えたフランス。気候の良いシーズンでもあり、これまで2ヶ月間にわたって閉ざされていた店舗やビーチも次々と再開され、人混みのできる人出が心配されていました。
政府は、未だ、コロナウィルスの感染は蔓延しており、多くの人が集中治療室で治療を受けている状態なのだから、皆が感染の危険が高いことを繰り返し、注意喚起の報道を流す一方で、パリから100 km以内(現在のところは、100 km以上の移動は禁止されています)で行ける場所・・などという報道や、各地のビーチの風景などが流され、国民の外出を煽っているのではないかと感じるところもあります。
実際に、サン・マロ(ブルターニュ地方)などのビーチは、監視下とはいえ、結構な人出でした。
実際に、サン・マロ(ブルターニュ地方)などのビーチは、監視下とはいえ、結構な人出でした。
ところが、実際には、ロックダウンから解放された人がショッピングや観光などで街やビーチを出歩く以上に警戒すべき事態が起きています。
昨年から、続いていた黄色いベスト運動の団体が、政府に抗議するために、フランス各地、ストラスブール、モンペリエ、ナント、ボルドーで集結し始めまたのです。
現在は、コロナウィルス感染下による制約により、10人以上の集まりが禁止されているため、本来ならば、デモは不可能です。しかし、今回の抗議は、まずは、デモ禁止に抗議するデモという妙な構図になっています。
ボルドーでは、約50人がデモに参加し、ナント、トゥールーズでは、市内中心部で散らばった小さな集まりが開かれ、警察部隊との衝突が起こりました。
モンペリエでは、さらに大人数の約350名の黄色いベストが集結し、警察に取り囲まれ、負傷者も出て、救急車まで出動する騒ぎとなり、その場で7名が逮捕され、リヨンでは、ローヌ川のほとりに約300名が集結、大多数は、マスクを着用していたものの、社会的距離を取ることは、困難な状況で、警察、憲兵隊が出動しました。
サン・ナゼール(ロワール・アトランティック)では、約130人がデモの禁止の違反に対して、ほぼ半数が罰金を科されました。
これまで2ヶ月間のロックダウンの鬱屈と、コロナウィルス以前からの政府に対する反発、コロナウィルスの国の対応等、国民の怒りが雪だるま式に増えた結果の捨身とも思える、フランス各地で同時に起きている現象です。
先日、病院視察中にマクロン大統領に食ってかかった医療従事者だけでなく、国民全体に不満が高まっていることが、ロックダウン解除とともに溢れ出した結果となっています。国民の怒りは、コロナ以前以上の状態に達していることは、間違いありません。
ロックダウンを解除後に、感染の第二波が心配される状況で、国民の怒りの爆発が、第二波の心配に追い討ちをかけるような警戒すべき状況を政府は、どのように乗り切れるのか? コロナウィルスの感染をおさめていくとともに、国民の怒りをどうやって鎮めていくことができるのか、さらなる大きな課題が持ち上がりました。
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