2020年5月9日土曜日

フランスのコロナウィルス・ロックダウン中の戦勝記念日のセレモニーとロックダウン解除への混乱


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 フランスは、5月8日は、戦勝記念日で祝日で、毎年、凱旋門でセレモニーが行われています。今年は、75周年にあたる年でしたが、セレモニーは、コロナウィルスのロックダウンの中、ある意味、歴史的な、特別な状況で、行われました。

 セレモニーは、最小限に縮小され、例年は、凱旋門にある世界大戦での犠牲になった戦士のためのモニュメントに大きな花を捧げて慰霊をし、華やかにパレードが行われ、シャンゼリゼの沿道には、多くの見物客が押し寄せます。

 今年は、パリの街は、からっぽで、人の気配が全くない中、マクロン大統領、フィリップ首相、前任者であるニコラサルコジとフランソワオランド、パリのアン・イダルゴ市長、軍関係者等の最小限の出席者のみで、行われました。

 出席者は、敢えて?誰もマスクはせず、人との距離を置く形で行われました。伴奏の楽隊なしで歌われるマルセイエーズ(フランス国歌)が、からっぽの街に響いていました。

 奇しくも今は、戦時中のような状態で、戦争の勝利を記念するセレモニーは、ロックダウン解除を目前にしているフランスには、コロナウィルスに勝利したわけではないにしろ、一つの節目を迎えるタイミングで、ある意味、象徴的な意味合いも感じられました。敢えて、マスクをせずにこのセレモニーに臨んだマクロン大統領のコロナウィルスとの戦いへの勝利、あるいは、勝利への道へのアピールであった気がしています。

 しかしながら、ロックダウン解除に向けて、世間は、その準備に大わらわで、特に、パリ、イル・ド・フランスの交通機関は、必死に安全対策を行なっています。

 SNCF(フランス国鉄)は、50%、RATP(パリ交通公団)は、75%の運転を保証し、パリの60ヶ所の駅は、閉鎖状態のまま留められます。公共交通機関でのマスク着用の義務化(マスクをしていない場合は、罰金135ユーロ)、通勤時間帯とされる 6:30~9:30、16:00~19:00 は、雇用主発行の通勤証明書が求められます。

 駅には、人の間隔の目安になるためのテープやステッカーが床に貼られ、一日に最低でも2回、駅や電車の車両の消毒を行うとしています。

 それをコントロールする人の配置の都合や、準備などで、閉鎖状態の駅が60もあるのでしょうが、その分の人は、他の駅に流れるわけで、開けられた駅での人の密集が心配されます。

 ロックダウン解除となれば、これまでは、ほとんど無くなっていた交通事故などの発生も予想されることから、特に現在も満床状態のパリ、イル・ド・フランスの病院が耐えられるのかも心配されます。

 昨年から長いこと続いた交通機関のストライキの際などは、ほとほと国民も疲れ果て、RATPを文字って、(Rentre Avec Tes Pied)(自分の足で帰れ!)などと言われたほどです。今回も、安全を考えれば、自分の足で通勤しろ!ということになるかもしれません。

 また、昨年のストライキは、年金問題でのストライキでしたが、RATPでは、すでに職員が8名もコロナウィルスで亡くなっており、感染してしまった人も大勢で、この火事場騒ぎのような準備と、危険な状況下での仕事に、再び、ストライキが起こっても、何の不思議もありません。

 フランスのロックダウン解除は、まさに前途多難です。



















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