2020年5月30日土曜日

コロナウィルスの第一波は去った? 俺たちは、よくやった!日本と対照的なフランス人の自画自賛




 フィリップ首相のロックダウン解除・第2ステージの発表から一夜開けて、フランスのマスコミは、いよいよ、コロナウィルスの第一波は、去った・・と言い出しました。確かに、一日の死者数も集中治療室の患者もグンと減ってきました。フィリップ首相も、一夜明けて、どこかホッと緩んだ表情が印象的です。
 しかし、フランスでのコロナウィルスの感染は、すっかりおさまったわけではありません。未だ死者が50人以上出ています。

 にも関わらず、もうすっかり戦後のようなムードで、マスク姿の人も日々、減ってきています。しかも、コロナウィルスとの戦いを「俺たちは、とても良くやった!2ヶ月のロックダウンを乗り越えて、みんなで協力して、見事に乗り越えた!」と、お得意のフランス人の自画自賛モード、「フランスはすごい!」のモードが満載なのです。

 とりあえず、大きな感染の波が去った今、経済的にも大打撃を受けている状態から、これからは、経済回復の道を探っていかなければなりません。パリのレストラン・カフェなどは、とりあえず、6月2日から営業できるのは、お店のテラスのスペースのみで、これまで、テラスのスペースは持っていなかった店舗も、さっそく、テラスのスペース確保の申請がパリ市役所に、殺到しています。

 基本、自信満々なパリジャンも、ここぞというところで、小難しいことを言い出すのも特徴で、ただ単にお店をオープンするだけでなく、伝統が、文化が、雰囲気が・・と、衛生管理もあくまでも美しくなければいけないと、こだわるところも、いかにもという感じです。

 これまで、ロックダウンのため、壊滅状態であった観光業界について語る際にも、フランスは、世界一の観光大国だ!(だから、打撃も酷いのに・・)どうだ!凄いだろ!フランスは、世界一なんだ!と始まってしまうところが、これまた、いかにもです。世界一の観光大国は、その多くの観光客を外国から受け入れています。ところが、現在は、ようやく国民の100キロ以上の移動が解禁されたのみで、国境は、閉ざされたままなのです。「フランスは、凄いだろ!」と言っている場合ではありません。

 そんな、自画自賛モードのフランスに比べて、日本は、コロナ対策に失敗したように感じている人が多い様子は、とても不思議です。フランスも確かに頑張りましたが、実際のところは、3万人近い死者(現在のところ28714人・5月29日現在)を出し、大失敗しているのです。

 もともと日本では、謙遜、謙虚な態度が尊ばれる国民性もあると思いますが、海外から見ると、日本は、完全に経済を止めることもせず、罰則も与えずに国民が自粛し、高齢者大国の日本が、被害者の数も桁違いの数字に抑えて、海外からは、圧倒的に成功している国として見られており、ジャパンミラクルなどと呼ばれているのに、なぜか、胸を張らないのです。

 色々、問題はあるにせよ、日本は、やっぱり凄い国だと、私は、今回のコロナウィルスの騒ぎで、改めて思っています。日本人は、もっと自信を持って胸を張るべきです。世界に比べたら、やっぱり日本は、衛生面、医療システム、国民のモラルなどなど、世界に誇れる国なのです。

 それにしても、対照的なフランスと日本、受け取り方がこうも違うのは、その中間にいる私としては、それぞれの様子を見ながら、不思議なものだと思うのです。

<関連>「フランス人のプライド」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/08/blog-post_6.html



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