2020年5月21日木曜日

ロックダウン解除・祝日と晴天とで外に出たい若者たち


   

 今週のフランスは、晴天に恵まれ、気温も30度近く上がり、まさに、家にいるのがもったいないような陽気です。日も長くなり、夜9時近くまで、明るい季節です。

 フランスの5月は、日本のようなゴールデンウィークではありませんが、祝日が多い月でもあり、今週も21日(木)が祝日(昇天祭)で、金曜日1日を休めば、週末を含めて水曜日の夜から5日間の連休になるため、例年、プチバカンスに出かける人も多いのです。

 今年は、ロックダウン解除になってから、初めての祝日ということで、また、水曜日の夜から、セカンドハウスなどに出かけようとする人や帰省する人を警戒する体制(現在は、100キロ以上の移動は禁止)が敷かれています。

 ロックダウン中でさえも、網の目を潜って、意外なところに人混みが出来るたびに、警察や軍隊が出動して、取り締まりが行われてきましたが、(食料品を扱うマルシェが混雑したり、ジョギングのために、ヴァンセンヌやブーローニュの森などに人が集まったり、18区の路上で、大音量で音楽をかけて大勢の人が踊りだしたり・・)ロックダウンが解除されてからは、当然の事ながら、より、たくさんの人が街に出るようになり、サンマルタン運河やセーヌ川沿いで祝杯をあげる人々が集ったり、モンマルトルの丘にあるサクレクール寺院の前の階段に多くの人が集まり、退去させられたり、いたちごっこが続いています。

 今回は、祝日を控えた連休モードからか、夕刻になって、パリ、アンヴァリッドの前庭に、大勢の若者たちが、食べ物を持ち寄ってのピクニック状態になり、再び、警察官が出動しました。

 屋外でもあり、禁止されているのは、10人以上の集まりという事で、簡単に退去させることもできずに、強制退去はさせられない警察。しかし、それぞれの集まりが10人以内でも、それがたくさん集まれば、大勢の人で群がる状態です。

 コロナウィルス騒ぎがなかった日常から、フランスの若者たちは、レストランやカフェなどよりも、こうして屋外で食べ物を持ち寄り、友人たちと解放的な場所で、時間を過ごすことが多いので、コロナウィルス感染の心配さえなければ、ごくごく普通のことなのです。天気も良く、長い監禁生活の後の状況で、ロックダウンが解除されたとなれば、気持ちは痛いほどわかるのです。しかし、時が時、パリは、まだレッドゾーンなのです。

 しかも、マスクは携帯しながらも、飲み食いするために、また、この暑さも手伝って、マスクは、していない人が圧倒的に多く、(もともと、フランス人は、マスクが大嫌いなのです。)注意を促しながら警戒を続ける警察官でさえもマスクをしていない人も少なくなく、意識の低さが垣間見れます。

 現在は、レストランもオープンされておらず、公園さえも解放されていない状態なので、友人たちと集いたければ、このような場所を見つけては、人が集まり、集まった場所には、警察が出動する、そんな、モグラ叩きのような繰り返しが続いているのです。

 ロックダウンが解除されて、10日が経ちますが、今のところ、クラスターは、いくつか発生しているものの、感染爆発の第二波は、起こっていません。しかし、クラスターが起こっているのもイル・ド・フランスのような未だ危険とされているレッドゾーンばかりではなく、依然として、全国的な感染爆発の危険も孕んでいるのです。

 ロックダウン効果で、1日の死亡者数も100名前後に減ってきてはいますが、(死亡者131名・重症患者1794名・5月20日現在)、ロックダウン解除の影響が見られ始めるのは、少なくとも2週間から3週間後、特に未だICUの空き病床にも余裕のないパリ(イル・ド・フランス地域)は、また、いつ、あの恐ろしい状況に戻ってしまうかもわからない危険な状態が続いています。

 また、コロナウィルスのクロロキン治療で一躍、有名となったマルセイユ大学のラウルト教授がマルセイユに比べて、パリは、圧倒的に死亡率が高いことなどを発表し、波紋を呼んでいます。

 晴天と祝日が続くフランスに、自粛モードが吹き飛ばされそうな勢い。このまま、感染が収まって、私の心配が杞憂に終わってくれれば良いのですが、今のところは、どうにも楽観的にはなれないのです。


<関連>「フランスの貧乏大学生の質素な生活」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/09/blog-post_23.html






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